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富山大学附属病院の先端医療

Q:胆管結石の内視鏡治療―胆管結石

富山大学附属病院の先端医療

第三内科(消化器内科)

Q:胆管結石の内視鏡治療―胆管結石

安田一朗/教授

Q:胆管結石って何ですか?

A:肝臓で作った胆汁を十二指腸まで運ぶ管を「胆管」と言いますが、この胆管の途中には胆汁を蓄えておく「胆のう」という袋がくっついています。一般に「胆石」というと、胆のうにある「胆のう結石」をイメージしますが、胆汁の通り道にできる石は、すべて「胆石」ですので、「胆管」にある石も「胆石」です。つまり「胆石」には「胆のう結石」と「胆管結石」があります(図1)。

「胆のう結石」の多くは無症状で経過し、生涯において腹痛などの症状が出る人は、1〜2割と言われています。これに対して「胆管結石」は必ず症状が出現し、その症状も腹痛のほか、発熱、黄疸を伴い、迅速に治療を行わないと重症胆管炎となり、敗血症から生命が危険な状態に陥ることもあります。

Q: どのように治療するのですか?

A:内視鏡(胃カメラ)を使って治療します。胆管の出口は2〜3mmの管がようやく通るぐらい狭いので、そのままでは胆管の中の石を取り出すことはできません。そこでまずは、内視鏡を胆管の出口がある十二指腸まで挿入し、胆管の出口を電気ナイフで切開して広げます(図2左)。続いて、石をつかむ篭状の道具を胆管の中に挿入し、石をつかんで取り出します(図2右)。

Q: どんな石でも内視鏡で治療できますか?

A:9割がたの胆管結石は前述の方法で治療できますが、なかには治療が難しい場合があります。例えば、大きな石は出口を切っても取り出せないことがありますが、そうした場合は、出口を大きな風船を使ってもっと広げたり、石を胆管の中で破砕して小さくしてから取り出します(図3)。石を破砕する方法は、篭状の道具で石をつかんでから、篭を締め上げて砕く方法が一般的ですが、石が非常に大きかったり、胆管に嵌まり込んでいたりして、うまくつかめないことがあります。こうした場合、開腹手術が行われることもありますが、当院では、胆管の中に細い内視鏡(経口胆道鏡)を挿入し、結石を見ながら電気水圧衝撃波で結石を破砕する方法を行っています。

また、胃や食道、十二指腸、胆管、膵臓などの手術を受けたことのある方は、手術の際に腸をつなぎ直していることがあり、つなぎ方によっては、胆管の出口までの距離が長く、通常の内視鏡では到達できないことがあります。こうした症例に対して、当院では、バルーン内視鏡という特殊な長い内視鏡を使った治療を行っています(図5)。

このように、ほぼすべての胆管結石が、当院では開腹手術を行うことなく、内視鏡的に治療されています。

一言メモ

  1. 胆管結石は必ず治療しなければなりません。
  2. 胆管結石は外科手術ではなく、内視鏡を使って治療できます。
  3. 当院では、経口胆道鏡やバルーン内視鏡といった特殊な内視鏡を使って、通常治療が難しい症例も治療しています。
図1:胆石の種類
胆のうにある石が「胆嚢結石」、胆管にある石が「胆管結石」

図1:胆石の種類
胆のうにある石が「胆嚢結石」、胆管にある石が「胆管結石」

図2:胆管結石の内視鏡治療
胆管の出口をナイフで切開し広げ(左写真)、胆管の中の石をつかんで取り出します(右図)。

図2:胆管結石の内視鏡治療
胆管の出口をナイフで切開し広げ(左写真)、胆管の中の石をつかんで取り出します(右図)。

図3:大きな風船での胆管出口の拡張

図3:大きな風船での胆管出口の拡張

写真1-1:経口胆道鏡での結石破砕

写真1-1:経口胆道鏡での結石破砕

写真1-2:経口胆道鏡での結石破砕

写真1-2:経口胆道鏡での結石破砕

写真2:バルーン内視鏡

写真2:バルーン内視鏡

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