ホーム

診療科・中央診療施設等のご案内

第一外科診療部門 心臓血管外科

第一外科診療部門
心臓血管外科

診療体制

心臓血管外科では、動脈硬化による狭心症や心筋梗塞、動脈瘤、閉塞性動脈硬化症に加え、弁膜症、重症心不全、不整脈などを対象に手術を中心とした集学的治療を行っています。心臓外科チームと血管外科チームの2つのチームがあり、主治医はチーム制でそれぞれの疾患に対して入院から退院まできめ細やかな治療を行います。
手術実績は心臓、大血管の手術で年間250例程、末梢血管を含めると400例を超える症例数を誇っています。また、2017年より富山大学循環器センターを開設し、循環器内科、麻酔科、集中治療室(ICU、CCU)、臨床工学技士、看護師およびリハビリスタッフなど多職種でハートチームを結成し、あらゆる循環器疾患に対応する高度救急医療体制が整っています。二次救急対応病院のみならず、医院、開業医の先生方からの診療依頼も随時受け入れ可能で、24時間体制で緊急手術にも対応します。

主な対象疾患

  • 虚血性心疾患;薬やカテーテル治療では改善の見込みが乏しい狭心症や心筋梗塞などの患者さんでは、生命予後改善効果のある冠動脈バイパス術を行っています。
  • 心臓弁膜症;大動脈弁の狭窄症や閉鎖不全症、僧帽弁の狭窄症や閉鎖不全症に対し、人工弁置換術や弁形成術を行っています。
  • 不整脈の外科治療;脈が不規則になる心房細動という不整脈をもつ患者さんでは、心臓や血管の手術と同時に不整脈を根治させる不整脈手術を積極的に実施しています。
  • 重症心不全に対する外科治療;拡張型心筋症や劇症型ウイルス性心筋症など薬物治療に抵抗性で一般的な心臓手術では改善しない状態では、症例に応じて補助人工心臓の植込みを行っています。2019年4月に心臓移植待機患者さんを対象に植込型補助人工心臓の施設認定を受けております。
  • 胸部および腹部大動脈瘤;従来の人工血管置換術はもちろん、動脈瘤の形態と患者さんの病態を考慮して、より低侵襲なステントグラフト内挿術を積極的に行っています。ステントグラフト指導医2名、実施医4名が常勤しており、待機手術のみならず緊急手術にも対応可能となっています。
  • 重症化下肢虚血に対する集学的治療;循環器内科との協議のもと、患者さんの病態に応じてカテーテル治療だけでなく、バイパス手術も積極的に行い、難治性の傷に対しては、炭酸温浴、局所陰圧療法、多血小板血漿療法など数々の治療方法を駆使し、肢を最大限残すことを目指しています。
  • 下肢静脈瘤;下肢静脈瘤に患者さんには状況に応じて、グルー治療を行っています。静脈瘤を切らずに痛みも最小限度で治すことが可能で、基本的には入院の必要は無く、外来手術で施行しております。
  • 透析シャント;透析シャントの新規作成のほかに閉塞等のトラブルにも随時対応しています。

高度な専門医療

世界レベルの高度先進医療を常に目標としています。そのため海外で臨床実地修練を受けた医師を揃え、臨床の場に生かすことで地域医療に貢献しています。患者さんの要望に応えるよう、以下の特徴的な医療を行っています。

  • 体にやさしい(低侵襲)心臓手術の実施;体外循環を使用しない心拍動下冠動脈バイパス術(OPCAB)を標準術式とし、術後早期の社会復帰を可能としています。また、80歳以上の高齢者の方々にも安全に安心して手術が受けられる環境、体制を整備し、良好な成績を得ています。
  • 一人ひとりの患者さんに合った最良の治療法を選択:個々の患者さんに適した最善の治療法を選び、質の高い医療を提供します。例えば僧帽弁閉鎖不全症では、変形した弁を修復して、できるだけ自分の弁を残す弁形成術を積極的に行っています。また、80歳を超えるような高齢者、併存症の多く手術リスクの高い、大動脈弁狭窄症の患者さんに対して2015年5月より北陸では初めて経皮的大動脈弁植込み術(TAVI)を導入しました。従来、手術がためらわれた超高齢者でも治療可能となりますのでご紹介ください。
  • 心房細動(不整脈)に対するオーダーメイド手術の実施:心房細動(不整脈)を併発している手術患者さんに対しては、患者さんの不整脈の機序を術前に精査したうえで、機序に応じた手術法を選択しています。これにより、従来の手術に比べより簡便で効果の高い手術が可能となっています。
  • 重症心不全に対する治療:2017年より本格的に心移植適応のある重症心不全の患者さん対して、循環器内科と適応を判断したうえで補助人工心臓植込手術を開始しました。従来、救命が望めなかった患者さんでも循環を改善し、治療の機会を拡大することが可能となりました。さらに、2023年からは心移植を目的としない長期在宅管理を目指したDT治療としての補助人工心臓植込手術も開始しました。
  • 体にやさしい(低侵襲)大動脈瘤手術:高齢者やほか疾患を持っている患者さんに対し「体に優しいステントグラフト治療」を行っております。これにより手術後の合併症の発生率の低下や、入院期間及び社会復帰時間の短縮が得られています

専門外来

・成人心臓外科外来

担当医 土居寿男、名倉里織
診療日 土居(火、木)、名倉(火)
受診方法 地域連携予約、紹介状持参が原則です。初診は午前中のみです。

・血管外科外来

担当医 山下重幸、長尾兼嗣
診療日 山下(火、木)、長尾(火)
受診方法 地域連携予約、紹介状持参が原則です。初診は午前中のみです。

・静脈瘤外来

担当医 長尾兼嗣
診療日 長尾(火)
受診方法 地域連携予約、紹介状持参が原則です。初診は午前中のみです。

主な検査・設備など

  • 手術対応多軸血管造影(ハイブリッド手術室)
    手術対応多軸血管造影
  • 補助人工心臓(植込型、体外設置型)
  • ECMO
  • 3次元心臓超音波診断装置
  • 不整脈マッピング解析装置
  • 下肢静脈瘤レーザー焼灼装置

診療実績

  2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023
弁膜症 55 47 78 88 63 58 72 80 56 74
TAVI 0 16 57 52 63 59 57 59 73 79
虚血性心疾患 80 87 73 55 74 69 58 60 73 72
その他の心臓手術 6 5 4 12 8 7 14 6 8 7
胸部大動脈手術 20 27 31 27 37 50 29 26 28 31
ステントグラフト内挿術 54 48 42 47 50 40 27 42 54 54
末梢血管手術(腹部大動脈瘤を含む) 98 75 104 109 146 158 122 95 123 132
ペースメーカー/ICD/CRT-D 27 37 28 44 44 35 48 24 26 31

【成人心臓血管外科手術件数の年次数位】

診療科紹介

心臓血管外科は小児循環器外科、呼吸器一般外科とともに第一外科診療部門の中で成人の心臓血管外科を担当しており、北陸地区では圧倒的な症例数と良好な手術成績を誇っています。
年々、高齢化していく患者さんに対し、心臓外科においては人工心肺を用いないオフポンプ冠動脈バイパス術、血管外科ではステントグラフトによる大動脈瘤手術など「体に優しい」手術を心掛け、一方で弁形成術や心房細動手術、重症下肢虚血に対する集学的治療など良好な長期成績を見据えて付加価値の高い手術を積極的に行っています。また、植込型補助人工心臓の認定施設として重症心不全に対する外科治療も多数行っており、緊急症例を含め常時対応できる体制を整えています。

スタッフ紹介

氏名 職位 専門領域 資格など
土居 寿男 講師 成人心臓外科
胸部大血管外科
心臓血管外科学会専門医認定機構 専門医・修練指導医
日本外科学会 専門医・指導医
胸部・腹部ステントグラフト実施医
植込型補助人工心臓実施医
山下 重幸 講師 胸部および腹部大血管外科
末梢血管外科
心臓血管外科学会専門医認定機構 専門医・修練指導医
日本外科学会 専門医・指導医
胸部・腹部ステントグラフト実施医
下肢静脈瘤血管内治療実施医・指導医
弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター
名倉 里織 助教 成人心臓外科
胸部大血管外科
心臓血管外科学会専門医認定機構 専門医・修練指導医
日本外科学会 専門医
胸部・腹部ステントグラフト実施医
下肢静脈瘤血管内治療実施医
弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター
長尾 兼嗣 特命助教 腹部大血管外科
末梢血管外科 静脈

日本外科学会 専門医
弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター
胸部・腹部ステントグラフト実施医・指導医
下肢静脈瘤血管内治療実施医

脈管専門医

外来担当表

曜日 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
心臓血管外科
(心臓、胸部大血管)
手術 土居(初診、再診)
名倉(再診)
手術

土居(初診)

 

午後~手術

手術
心臓血管外科
(胸部および腹部大血管、末梢血管、静脈疾患)
手術 山下(初診、再診)
長尾(再診)
手術 山下(初診、再診)
長尾(初診、再診)
手術

第一外科診療部門 心臓血管外科