診療体制

• 多くの感染症科では感染制御および他科からのコンサルテーションを中心にしておりますが、当科は病床を持っており、重症感染症の症例に関しては主治医として診療にあたります。また、毎朝当科入院中の患者さん、コンサルテーションの患者さん全員を回診し、スタッフ全員で診療しています。
• 北陸地域で唯一、日本医療研究開発機構　新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業に所属しているため、熱帯病・寄生虫薬として国内承認薬がない場合、承認薬があっても国際基準に照らして未承認薬の方が優れている場合、さらには承認薬が副作用等で使用できない場合などの重症例・難治例でも対応できます。
• エイズ治療拠点病院として患者診療のみならず、県内医療従事者の針刺し事故等に迅速に対応しています。
• 当院は2020年5月28日に「第二種感染症指定医療機関」に指定されました。また、富山県内で感染症アウトブレイク発生時には速やかに対応できる感染症対策支援チームも結成しております。引き続き、県内の医療機関・施設等との連携を強めて感染症対策・診療に貢献していきます。
• 新型コロナウイルス感染症の診療も積極的に行っています。

主な対象疾患

• 敗血症
• 難治性・重症感染症（MRSA、耐性グラム陰性菌など）
• 輸入感染症・希少感染症（マラリア、デング熱、寄生虫症など）
• HIV/AIDSおよび日和見感染症（ニューモシスチス、サイトメガロウイルスなど）
• 深在性真菌症（クリプトコックス、アスペルギルス、カンジダなど）
• 抗酸菌症（結核、非結核性抗酸菌症など）
• 新型コロナウイルス感染症

高度な専門医療

●感染症専門外来

主に細菌感染症、深在性真菌症、抗酸菌症、不明熱、HIV/エイズを対象としています。一般細菌・マイコプラズマなどによる市中感染症やクリプトコックス、アスペルギルス、カンジダ、ニューモシスチスによる真菌症、結核や非結核性抗酸菌症、さらに敗血症、骨髄炎、脳髄膜炎などの診療を行っています。

●ワクチン外来（渡航者外来）

海外出張や赴任、旅行などの渡航前の予防接種や予防内服、健康管理のアドバイスなどに対応いたします。また、帰国後の発熱（マラリア、デング熱など）や下痢（寄生虫症など）等の旅行関連の感染症について診療いたします。予防接種につきましてはワクチン等が入手困難な場合がありますので、事前に相談ください。

●HIV専門外来

感染症専門医による診療を行っています。

●病院感染制御

富山大学附属病院の感染対策はもちろんのこと、県内の病院との合同カンファランスや院内感染に関する相談窓口を設け、地域の病院との連携を積極的に行っています。

●感染症コンサルテーション

重症・難治性疾患を中心としたコンサルテーションに対して迅速に対応しています。

専門外来

・HIV専門外来

現在多くのHIV感染者は外来での治療が可能ですが、すでに肺炎や悪性リンパ腫を合併した症例も受診されることがあります。入院治療になりますが、当科には呼吸器学会専門医、血液学会専門医がおり、重症HIV感染合併症に対処することが可能です。

・ワクチン外来 (渡航者外来)

海外渡航前のワクチン接種や、帰国後の発熱等に対応しています。

主な検査・設備など

• マラリアやデング熱など熱帯病・寄生虫疾患の診断
  デング熱に関しては抗原、抗体を同時に検査することが可能なキットを用いることで、迅速な診断につなげています。
• 後天性免疫不全症候群(HIV/AIDS)の診断
• 深在性真菌症の診断
• 抗酸菌感染症の診断
• 日和見感染症の診断
• 新型コロナウイルス感染症の診断

診療科紹介

感染症専門医が複数名勤務している富山県内の施設は当科のみであり、専門的な知識と経験に基づいた高い水準の感染症診療を行っています。細菌感染症、深在性真菌症、抗酸菌症、HIVを含むウイルス性疾患、不明熱などが対象疾患です。また、近年の海外渡航者の増加に伴い、渡航者向けの外来を行っています。海外出張や赴任、旅行などの渡航前の予防接種や予防内服、帰国後の感染症についても診療しています。

診療科長　　山本　善裕

スタッフ紹介

外来担当表