小児科診療部門
小児総合内科
診療体制
小児総合内科では、それぞれの専門分野(アレルギー・呼吸器、血液・免疫、未熟児・新生児、救急、内分泌など)における先進医療を行うと共に、「子どもの総合医」として全人的な小児科医療を提供しています。また、入院中のお子さんが治療中ならびに治療後において健全に発育・発達していくことや学業の継続をサポートするため、病棟に専門保育士ならびにチャイルド・ライフ・スペシャリストを配置すると共に、院内学級(小学校・中学校)も設置しています。さらに、富山県における三次医療機関として、関連部署と連携しながら地域医療や保健業務にも貢献しています。
小児総合内科では、それぞれの専門医療と並行して、小児を総合的に診ています。また小児循環器内科と小児発達神経科を独立させて、それぞれ高度で専門的な診療も行っています。
主な対象疾患
- 小児のアレルギー・呼吸器疾患
- 小児の血液・悪性腫瘍
- 小児の感染症
- 小児の救急集中治療
- 小児の内分泌疾患
高度な専門医療
新生児期から思春期にいたる小児期すべての疾患について、基礎的・臨床的研究に基づいた高度先進医療を目指しています。
- 呼吸機能検査など客観指標に基づく喘息の管理
- 経口負荷テストによる食物アレルギーの診断
- 食物アレルギーに対する経口免疫療法
- 血液・悪性腫瘍に対する集学的治療、造血幹細胞移植
- 低体温療法や血液浄化療法など救急集中治療
- 高度な医療または特徴的な医療
- 周産母子センターにおける新生児集中治療
- 持続皮下インスリン注入や連続皮下ブドウ糖濃度測定を用いた1型糖尿病の血糖管理
- 悪性腫瘍の晩期合併症としての内分泌代謝管理
専門外来
・アレルギー外来
- 食物アレルギー
診断のために血液検査、皮膚テスト、食物負荷試験をおこなっています。食物負荷試験は症状の出現するリスクが高い場合には、日帰り入院での負荷試験をおこなっています。富山県内から、特にリスクの高い患者様をご紹介していただいています。
当院では、当大学の倫理委員会の承認を得て、より重篤な患者様に対して経口免疫療法も取り組んでいます。 - 気管支喘息
肺の機能検査(フローボリュームカーブ)、気道炎症評価(呼気一酸化窒素濃度測定)などで喘息のコントロール状態を評価しながら、管理を行っています。 - 免疫療法
食物アレルギーの経口免疫療法や、スギやダニの皮下免疫療法、舌下免疫療法などを行っています。 - 他施設共同臨床研究
全国のアレルギー専門施設と共同臨床研究を行い、日本でもより先端的な研究に参加しています。
経口免疫療法
経皮免疫療法
気管支喘息の疫学調査
食物アレルギーのアレルゲンコンポーネント研究 など - 日本アレルギー学会認定施設
当科は、1996年より日本アレルギー学会 アレルギー専門医教育研修施設に認定されており、これまでにも多くの小児アレルギー専門医・指導医を育成しています。
現在、当科には日本アレルギー学会認定指導医1名とアレルギー専門医2名が在籍しています。
担当医 | 加藤泰輔、村上将啓、足立陽子 |
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診療日 | 加藤(水・PM)、村上(月・AM)、足立(月、水・全日) |
受診方法 | 地域連携予約、紹介状持参が原則です。 |
・血液・免疫外来
非腫瘍性血液疾患(貧血、ITP(血小板減少性紫斑病)、好中球減少症、血友病、再生不良性貧血、MDS(骨髄異形成症候群)、免疫不全症)、造血器腫瘍性疾患(白血病、悪性リンパ腫、血球貪食リンパ組織球症)、固形腫瘍(脳腫瘍、神経芽腫、横紋筋肉腫、ユーイング肉腫/PNET、肝芽腫、腎芽腫、網膜芽腫、骨肉腫、ランゲルハンス細胞組織球症)など、幅広い疾患の診断・治療を行っています。また、治療終了後の晩期合併症に対する長期フォローアップも行っています。
多施設共同臨床研究
JCCG(日本小児がん研究グループ)、JPLSG(日本小児白血病・リンパ腫研究グループ)に属し、全国の大学病院やセンター病院と共同で白血病・リンパ腫、固形腫瘍の臨床研究を行っています。
造血細胞移植
富山県内で唯一、小児の造血細胞移植を行っています。日本骨髄バンク、臍帯血バンクの認定施設に登録されており、自家、血縁者間、非血縁者間造血幹細胞移植、臍帯血移植を行っています。
日本小児血液・がん専門施設
日本小児血液がん学会の研修施設に認定されています。
担当医 | 今井千速・野村恵子 |
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診療日 | 今井(火・AM)、野村(火・AM、木・全日) |
受診方法 | 地域連携予約、紹介状持参が原則ですが、患者様が緊急を要する状態の場合には、随時対応しますのでご連絡ください。 |
・遺伝外来
主に、出生前診断や先天性の遺伝性の病気について診療しています。
遺伝の問題について心配や不安を持っている方や、遺伝性の病気である可能性を告げられた方のご相談をお受けしています。
担当医 | 吉田丈俊 |
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診療日 | 吉田(金・PM) |
受診方法 | 地域連携予約、紹介状持参が原則です。 |
・内分泌・代謝外来
- 成長障害(低身長、思春期早発症)、甲状腺疾患、副腎疾患、骨代謝異常、肥満、糖尿病などの、内分泌・代謝疾患の診断・治療を行っています。
- 1型糖尿病については、カーボカウント、CGM(連続皮下ブドウ糖濃度測定)、CSII(持続皮下インスリン注入)なども用いて、QOLや将来の合併症発症予防なども念頭においた適切な血糖管理を行っています。
- 悪性腫瘍の治療後などにおこることがある、晩期合併症としての内分泌代謝疾患の管理も対応しています。
担当医 | 長森万里子、寺下新太郎 |
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診療日 | 長森(金・AM)、寺下(金・PM) |
受診方法 | 地域連携予約、紹介状持参が原則です。特に成長障害や肥満の場合は、母子手帳や学校などで測定した身長・体重の記録をご持参ください。 |
・赤ちゃんの頭のかたち外来
- 赤ちゃん(生後0~6か月)の頭のかたちに関する相談、診断と治療を行なっています。
- 向きぐせによる頭の変形(斜頭など)に対して、その程度や時期に応じて治療の必要性を判断します。
- 変形が重度の赤ちゃんに対して当院ではヘルメット治療を導入しています。
ヘルメット治療は保険診療ではなく、自費診療(55万円)となります。
日本製矯正ヘルメットを用い、治療期間は約6か月です。 - 受診には、かかりつけの先生からの紹介状と事前の予約が必要となります。当院の地域連携を通して予約してください。外来日は隔週の火曜日午後になります。
担当医 | 吉田丈俊、猪又智実 |
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診療日 | 吉田、猪又(火(隔週)・PM)、猪又(火(隔週)・PM)、加藤理(火(隔週)・PM) |
受診方法 | 地域連携予約、紹介状持参が原則です。 |
・腎・膠原病外来
- 腎外来では、学校検尿で指摘された検尿異常、先天性腎尿路奇形、ネフローゼ症候群、急性・慢性糸球体腎炎など、さまざまな腎臓病の診断および治療を行います。
- 膠原病外来では、若年性突発性関節炎、全身性エリテマトーデス、血管炎などの他、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患にも対応しています。
- 慢性に経過する疾患が多いため、各内科と早期より連携し、成人期までのシームレスな診療を目指しています。
担当医 | 髙﨑麻美、太田安孝 |
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診療日 | 髙﨑(月・AM)、太田(月・PM) |
受診方法 | 受診方法 地域連携予約、紹介状持参が原則です。 |
主な検査・設備など
<検査>
- 二重盲検負荷テストによる食物アレルゲンの同定
- 呼吸機能検査(気道過敏症、運動誘発テストを含め)
- 気道ファイバー検査
- 造血器疾患に対する骨髄検査、固形腫瘍に対する腫瘍マーカーや画像検査
- 各種ホルモン負荷試験
- 臨床心理士による発達検査・カウンセリング
<設備>
- 小児病棟には一般病室の他、化学療法や造血細胞移植に対応する無菌病室を備えています。また、プレイルームや院内学級(小学校・中学校)の充実を図り、長期入院患者さんには病棟専任保育士、院内学級教員、チャイルド・ライフ・スペシャリストが年齢に応じた遊びや学習を行い、病気の治療だけでなく、子どもの成長を見守り、退院後の生活に円滑に戻れるようトータルケアを目指しています。
診療科紹介
富山大学附属病院小児科の使命は、富山県ならびに周辺地域における小児医療を充実させると共に高度医療を提供すること、そして研究と教育です。医学生や研修医の教育に留まらず、専門医の育成、さらに地域の医療従事者への最新の医学知識の提供などを行っています。これらの研究や教育には、実際の患者さんのご協力が必要です。地域の小児医療レベルの向上のため、また医学の進歩のためにご協力をお願いします。
診療科長 今井 千速
スタッフ紹介
氏名 | 職位 | 専門領域 | 資格など |
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今井 千速 | 診療科長 教授 |
小児科一般 小児血液 小児がん |
日本小児科学会 専門医・指導医・代議員 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 日本血液学会 専門医・指導医・評議員 日本小児血液・がん学会 専門医・指導医・評議員 日本造血・免疫細胞療法学会 認定医・評議員 日本血液疾患免疫療法学会 評議員 日本小児がん研究グループ(JCCG) 理事 JCCG血液腫瘍分科会 副運営委員長 日本小児がん白血病研究グループ(CCLSG)運営委員長 |
野村 恵子 | 診療副科長 診療教授 |
小児科一般 小児血液 小児がん |
日本小児科学会 専門医・代議員 日本小児血液・がん学会 専門医・指導医 日本血液学会 専門医・指導医 日本造血細胞移植学会 認定医 |
吉田 丈俊 (周産母子センター) |
教授 | 小児科一般 新生児・未熟児 臨床遺伝 |
日本小児科学会 専門医・指導医 日本新生児成育医学会 日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医・暫定指導医 日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医 日本頭蓋検診治療研究会 理事 |
廣野 恵一 | 客員教授 |
小児科一般 心筋症 |
日本小児科学会 専門医・指導医 日本循環器学会 専門医 日本小児循環器学会 専門医・評議員 日本成人先天性心疾患学会 専門医・評議員 日本川崎病学会 運営委員 日本小児心筋疾患学会 副代表 日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医 |
種市 尋宙 | 診療准教授 | 小児科一般 小児救急 小児集中治療 |
日本小児科学会 専門医・指導医 日本小児科医会 地域総合小児医療認定医 |
田村 賢太郎 (周産母子センター) |
診療准教授 | 小児科一般 新生児・未熟児 |
日本小児科学会 専門医・指導医 インフェクションコントロールドクター(ICD) |
足立 陽子 | 医員 | 小児科一般 小児アレルギー |
日本小児科学会 専門医・指導医 日本アレルギー学会 専門医・指導医・代議員 |
田中 朋美 (エコチル富山ユニット センター) |
診療准教授 | 小児科一般 小児神経 てんかん |
日本小児科学会 専門医 日本小児心身医学会 認定医 |
猪又 智実 (周産母子センター) |
診療講師 | 小児科一般 新生児・未熟児 |
日本小児科学会 専門医・指導医 日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医 |
川崎 裕香子 (周産母子センター) |
診療講師 | 小児科一般 新生児・未熟児 |
日本小児科学会 専門医・指導医 日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医・指導医 |
長森 万里子 | 診療指導医 | 内分泌 | |
小澤 綾佳 | 診療講師 | 小児科一般 小児循環器 胎児心エコー |
日本小児科学会 専門医・指導医 日本小児循環器学会 専門医・評議員 日本胎児心臓病学会 胎児心エコー認定医 |
伊吹 圭二郎 | 診療講師 | 小児科一般 循環器 カテーテルインター ベンション |
日本小児科学会 専門医 日本小児循環器学会 専門医・評議員 日本先天性疾患インターベンション学会 幹事 |
加藤 泰輔 | 診療助手 | 小児科一般 小児アレルギー |
日本小児科学会 専門医 日本アレルギー学会 専門医 |
髙﨑 麻美 | 診療講師 | 小児科一般 膠原病 |
日本小児科学会 専門医・指導医 |
寺下 新太郎 | 大学院医員 | 小児科一般 内分泌 |
日本小児科学会 専門医・指導医 日本糖尿病学会 専門医 |
村上 将啓 | 病院特別助教 | 小児科一般 小児アレルギー |
日本小児科学会 専門医 日本アレルギー学会 専門医 |
岡部 真子 | 診療講師 | 小児科一般 | 日本小児科学会 専門医 |
太田 安孝 | 医員 | 小児科一般 | 日本小児科学会 専門医 |
外来担当表
曜日 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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初診 | 今井 | 吉田 | 田中 | 廣野 | 種市 |
再診 | 岡部 | 小澤 | 田村 | 髙﨑 | 川崎 |
小児総合内科 (AM) |
(アレルギー外来) (腎・膠原病外来) |
(血液外来) 今井、野村 (フォローアップ外来) 吉田 |
(アレルギー外来) 足立陽 |
(血液外来) 野村 (フォローアップ外来) 猪又 |
(内分泌外来) 長森 (フォローアップ外来) 川崎 |
小児総合内科 (PM) |
(フォローアップ外来) (腎・膠原病外来) |
(頭のかたち外来) 吉田、猪又、加藤理(月2回) |
(アレルギー外来) 加藤泰(第2・4) |
(長期フォローアップ外来) 野村 |
(遺伝外来) 吉田 (フォローアップ外来) 田村(第1・3・5) 猪又/川崎(第2・4) (内分泌外来) 寺下 |