診療体制

小児発達神経科では、新生児から思春期の小児を対象とし、てんかんや脳炎・脳症、髄膜炎、先天異常（染色体異常、遺伝子異常など）、神経筋疾患、神経発達症（発達障害）など様々な脳・神経・筋肉に関わる疾患を対象として診療を行っています。発達・神経疾患の富山県での中心的施設として、幅広く発達神経学に関連した臨床的・基礎的研究に基づく高度先進医療を目指しています。診療においては通院・入院での検査、治療を柔軟に組み合わせ、心理士、保育士、チャイルド・ライフ・スペシャリストとも連携しながら、より早期に診断し、治療を行うことを目標としています。

主な対象疾患

新生児から15歳までの小児を対象とし、各種神経疾患（てんかん、脳性麻痺、脳炎・脳症、末梢神経疾患など）や、発達の問題（知的発達や運動発達の遅れ、自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症（ADHD）などの神経発達症）に関連する診療を行っています。

高度な専門医療

新生児から思春期、また成人に達する時期まで幅広く発達神経学に関連した基礎的、臨床的研究に基づく高度先進医療を目指しています。中でも、臨床てんかん学、中枢神経感染症、神経発達症の診断・療育に関しては、県内外の各医療機関とも連携し、さらには国内の研究・医療機関との共同研究も行っています。

• てんかんをはじめとする発作性疾患の診断・治療
• 自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症など、神経発達症児における発達検査を含む評価・診断•発達支援など
• 脊髄性筋萎縮症や結節性硬化症などの神経疾患に対する診断・治療（特に、結節性硬化症に関しては院内診療チームの一員として他科・他部門との診療連携あり）

専門外来

・てんかん

てんかんは、わが国においては人口の約１％でみられる決して稀ではない疾患です。てんかんの発作症状は多岐に渡っており、また他の疾患との鑑別も重要で、診断に難渋することもあります。適切な診断および治療により、てんかん患者さんの6〜7割は発作が抑えられるといわれています。当科では、てんかん診療を通じ、患者さんがてんかんとうまくつきあいながら、いきいきとした生活を送れるようにサポートすることを目標としています。

・精神発達相談（神経発達症）

落ち着きがない、友達と遊べない、乱暴、親から離れにくい、好き嫌いが激しいなどといった困りごとはありませんか？そういった訴えのあるお子さんの中には、発達に「でこぼこ」があるために、周囲の想像以上に困っていたり、傷ついている場合があります。「今どのような支援が必要なのか」についてご家族と一緒に考える外来です。必要に応じて各種検査を行い、診断や医療的な治療も検討します。

主な検査・設備など

• ビデオ同時ワイヤレス脳波計を用いたてんかんの発作時脳波記録（入院での検査）
• 神経発達症に関する心理検査、画像検査

診療科紹介

富山大学附属病院小児科の使命は、富山県ならびに周辺地域における小児医療を充実させると共に高度医療を提供すること、そして研究と教育です。医学生や研修医の教育に留まらず、専門医の育成、さらに地域の医療従事者への最新の医学知識の提供などを行っています。これらの研究や教育には、実際の患者さんのご協力が必要です。地域の小児医療レベルの向上のため、また医学の進歩のためにご協力をお願いします。

診療科長　　今井　千速

スタッフ紹介

外来担当表