「橋渡し役」患者を支援
医療福祉サポートセンター副センター長
篠田 晃一郎富大附属病院の1階正面玄関横に2017年春ごろ、患者の総合相談窓口「医療福祉サポートセンター」が設置される。現在の病院2階から移ることで、患者が入退院時に気軽に立ち寄ることができる場となる。そんな現場のまとめ役として「『病院の顔』とも言えるセンターの満足度をさらに高め、患者に対してこれまで以上にきめ細かなサポートを提供していきたい」と力を込める。
センターは09年、地域医療連携室と看護相談室、栄養相談室を統合して発足した。以来、患者を県内外の病院から受け入れる際や、他の病院に紹介する際の「橋渡し役」を果たすとともに、患者が抱える諸問題を解決するための支援を行う。
●早期退院を手助け
昨年度、センターを利用した入院患者は7773人、外来患者は3819人に上る。センターに勤務するスタッフはソーシャルワーカーや看護師、管理栄養士ら約20人で、いずれも患者へのきめ細かな対応を心掛ける。
今、多くの病院で「入院関連機能障害」が問題となっている。例えば、肺炎で入院した患者が、肺炎が治ったにも関わらず、足腰が悪くなったり、食事を取ることができなくなったりするケースがある。そんな事態を防ぐためにスタッフの役割は重要だ。
患者は一人一人、必要な治療も家庭生活も異なる。だからこそ、スタッフが患者から丁寧にヒアリングし、場合によってはリハビリを開始する時期を早めるなど、それぞれに合った対策を講じる。「常に先手を打ち、患者が一日も早く退院できるための手助けをしていく」と語る。
第1内科の病棟責任者でもあり、専門はリウマチ膠原(こうげん)病だ。担当する患者はいずれも壮絶な闘いをしていると説明し、そんな状況でも笑顔の患者から教わることは多い。
医師になって20年余、患者一人一人と真摯(しんし)に向き合ってきた。「これからも患者に笑顔で前向きになってもらえるよう努めたい」。県内医療機関の最後の砦(とりで)を守る一人として、決意を新たにしている。