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富大病院最前線

富大ブランド確立が命題

富大病院最前線 富山新聞にて隔週火曜日連載中

各診療科や各部署の取り組みをご紹介します。

第1回

富大ブランド確立が命題

副病院長(事務担当)・事務部長

山﨑 勝治

「富大病院職員としてのプライドを持ってほしい」と1100人を超える職員に呼び掛ける。最後の砦(とりで)として富大附属病院を頼ってくる人への対応はどうあるべきか。職に誇りを持てば、おのずと責任が生まれ、一人一人が考えて行動するようになるとの思いからだ。
事務担当の副病院長として、塚田一博病院長から与えられた命題は「富大病院ブランド」の確立だ。前身である富山医薬大附属病院の存在感は今も大きい。道路の案内看板には「旧医薬大」と併記され、高齢者から「医薬大の職員の方やね」と声を掛けられることも少なくない。これほど揺るぎないブランドを、富大附属病院として再び築き上げたいと誓う。 「プライドがないところにブランドはない」。小手先のマナーでなく、酒が発酵するように職員の意識をじっくりと育てたい。昨年から「富大病院人財醸成計画」をスタートし、ANAの元客室乗務員を招いた接遇研修や、あいさつの強化など地道な取り組みが続いている。

 

●キャリアの原点

1979(昭和54)年、大学職員として初めて勤めたのが、開院間近の富山医薬大附属病院だった。物品調達に奔走し、開院と増床を見届けた。その後、北陸や近畿の国立大学で病院事務ひと筋にキャリアを重ね、2年前に「原点」の富大へ帰ってきた。
気になることがあった。刻々と変わりゆく医療現場で与えられた仕事だけをこなす事務職員の姿だった。「成功の反対語は失敗ではない。何もしないことだ」。失敗からは教訓が得られるが、何もしなければ時間だけが過ぎてしまうと肝に銘じる。
病院は中央診療棟の改修や新外来棟の増築工事などハード面の再整備が進む。「われわれ職員は患者さんの病気を治せるわけでも、看護ができるわけでもない。何ができるかを常に考えなければ」。再生の槌音(つちおと)を聞きながら「事務屋」として走り続ける。 今年創立35年を迎えた富大附属病院。県内唯一の大学病院として地域に根差した医療現場の最前線に立つスタッフの姿を追う。

やまざき・かつじ 越前市(旧武生市)出身。旧富山医薬大、旧福井医科大、三重大、滋賀医科大、金大職員を経て、2012年10月から現職。
山﨑 勝治