●特筆すべき専門医療
超音波内視鏡(EUS)による膵臓・胆道疾患の診断

EUSは、内視鏡(胃カメラ)の先端に超音波観測装置(エコー)を装着しており、膵臓を最も詳しく観察できる検査機器です。
5年生存率8%とされ、最も手ごわいと言われる膵がんも1cm以下で発見されれば、5年生存率は80%です。
こうした
早期の膵がんを見つけるのに不可欠な最新鋭の検査がEUSです。
その他にも、
膵嚢胞や
胆嚢ポリープの治療方針を決める上でも重要な情報を得ることができます。
●超音波内視鏡下針生検(EUS-FNA)による診断

超音波内視鏡で対象病変を観察しながら
針生検を行うのがEUS-FNAです。
これまで病理診断のための検体採取が難しいとされてきた
膵臓や
縦隔・腹腔内のリンパ節・腫瘤の検体採取が安全かつ簡便に行えます。当センターでは
世界トップクラスの実績を有する医師が検査を担当します。
●EUS-FNAを応用した治療
膵臓の嚢胞や膿瘍、
胆管閉塞に対して、外科手術ではなく、超音波内視鏡(EUS)を使ってチューブを留置し、排液する治療法を行っています。
●経口胆道・膵管鏡検査による診断

極細径の内視鏡(経口胆道・膵管鏡)を胆管や膵管内に
直接挿入して
内部を観察し、病変部の組織採取を行うことができます。当センターは
北陸では唯一この機器を有しており、CTやMRIなどの検査で診断困難な胆管・膵臓の病変の診断が可能です。
●総胆管結石の内視鏡治療
ほぼすべての総胆管結石が、外科手術を行うことなく内視鏡的に治療できます。
一般に治療が難しいと言われる巨大な結石や胆管にはまり込んでいる結石、胃切除後でも、経口胆道鏡や小腸内視鏡、EUSなどを用いて治療します。
●早期の食道・胃・大腸がんに対する内視鏡治療

食道・胃・大腸において内視鏡治療を導入し、治療実績があります。
他院で治療が困難と言われた、また内視鏡治療の適応についてわからないことがありましたら是非受診して下さい。
特に、食道や大腸のESDは県内で治療出来る病院が少なく、当院で治療を受けることをお勧めします。
●小腸カプセル内視鏡・バルーン内視鏡による診断と治療

「暗黒の臓器」と言われていた小腸疾患の診断から治療まで診療が可能です。
多数例の小腸カプセル内視鏡・バルーン内視鏡検査を実施しており、出血源不明の胃腸出血の診断には欠かせません。
●難治性潰瘍性大腸炎に対する除菌治療やクローン病の分子標的治療

潰瘍性大腸炎、クローン病は初回治療により、完全に治癒(粘膜治癒)状態にすると、以後の再燃はほぼなくなります。
新薬が次々と開発され、それらを上手に使いこなし、初回治療で粘膜治癒にもたらし「生活の質」の向上と良好な長期予後が期待できます。
●消化器の進行がんに対する化学療法・消化管間質腫瘍(GIST)の分子標的治療
進行がんやGISTに対する治療では、基礎研究の進展に伴い、新しい分子標的治療薬が承認され、それら新薬を上手に使う治療マネージメントが長期生存に繋がります。
当センターでは必要に応じて他センターと連携しながら、集学的治療を実践しています。
●ラジオ波焼灼療法(RFA)による肝細胞癌の治療

施行件数が多く、治療経験が豊富です。人工胸腹水、造影エコー、画像支援システムを積極的に併用し、安全・確実な治療を目指しています。
また血管内治療も併用した集学的治療を実践しています。
●胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃マルトリンパ腫のピロリ菌除菌による治療

ピロリ菌は全感染者が保険診療で除菌ができます。
除菌治療は簡単そうに見えますが、安易な治療による抗生剤耐性菌の増加や、不十分な知識に基づく治療失敗例が急増しており、上手な除菌治療が一層、必要です。
通常の除菌治療失敗例も必ず除菌できます。
●その他
・難治性逆流性食道炎の病態の解析、原因に基づいた治療
・肝動脈化学塞栓術(TACE)・肝持続動注療法、分子標的治療を組み合わせた集学的治療
・生体部分肝移植の術前適応評価と術後の追跡
・劇症肝炎に対する血漿交換などを含む集学的治療と移植適応の評価