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乳がん先端治療・乳房再建センター

乳がん先端治療・乳房再建センター

特徴・特色

医療の進歩とともに乳がんの治療も様々な分野の検査、治療があり、たくさんの専門的技術が必要となりました。2020年1月から富山大学附属病院に形成再建外科・美容外科が開設され、乳がん治療の一つである再建術を自施設で行うことができるようになりました。乳がんが疑われたときの診断、手術を中心とした初期治療、放射線照射による補助療法、再発時の化学療法や遺伝子診療、緩和ケアすべてがセンターにて協力体制を整えるため、この乳がん先端治療・乳房再建センターを2月より設立いたしました。大学病院としてのメリットを最大限に活用し、各専門部門が密接に連携してチーム医療として治療体制を提供できるようになりました。

・乳がんになる前の予防的切除

遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)で、すでに乳がんを発症した場合は、反対側の乳房ががんになる前に予防的に切除するリスク低減乳房切除術(RRM)というものがあり、この治療が保険診療となります(2020年4月)。また、HBOCの方でまだがんを発症する前に両側のRRMを施行し乳がんを予防する治療も当センターでは可能です。さらに形成外科と連携し同時再建も可能で、再建方法も自家再建や脂肪注入を行うことで軟らかく温かみのある自然な形の乳房を作ることができます。

・再生医療を応用した乳房再建

患者様自身から吸引した少量の脂肪から幹細胞を分離・培養し、それを脂肪と一緒に乳房欠損部に注入する再建を行っています。この脂肪組織由来幹細胞の投与は脂肪吸引量を減らしかつ生着率が向上します。当センターではこのような再生医療を応用した乳房再建が可能です。

・認定遺伝カウンセラーによる遺伝カウンセリング

遺伝カウンセリングでは、遺伝に関する様々な心配や疑問をお持ちの方の相談に対応しています。患者さんだけでなくご家族もご利用できます。当院の遺伝カウンセリングは、臨床遺伝専門医と北陸唯一の認定遺伝カウンセラーが中心となり対応しています。

診療体制・業務内容

各専門分野を担当する部門についてご紹介いたします。

1.外科部門:藤井 努 教授、松井 恒志 診療講師、
  倉田 典子 乳がん看護認定看護師

  • 手術を中心とした部門で乳房部分切除、乳房全切除やリンパ節郭清を行います。乳房部分切除は術後に全乳房照射や最新の治療の加速乳房部分照射(SAVI)を行います。全切除を行う場合は形成外科と連携し乳房再建も積極的に行い、治療だけでなく整容面にも配慮した総合的なケアを行います。
  • 蛍光法およびRI法を併用した最新のセンチネルリンパ節生検も提供しています。この方法により術前化学療法後でも正確なセンチネルリンパ節生検が可能となり、その結果リンパ浮腫のリスクが軽減します。
  • 乳がんになりやすい遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の方へリスク低減乳房切除術(RRM)が可能で、すでに乳がんを発症した方、あるいは未発症の方も治療が受けられます。
  • 乳がん看護認定看護師による心理的サポート、意思決定の支援、術後リハビリ・リンパ浮腫予防、抗癌剤治療中のセルフケア支援、遺伝や妊よう性に関することなどの相談を行い、がんの告知から最期を迎えるまで継続して関わります。

2.形成外科部門:佐武 利彦 特命教授

乳房再建で失った乳房を美しく治すことが可能で、患者様の生活の質“Quality of Life”の向上に貢献します。
この部門を担当する佐武医師は「あたたかく、やわらかく、美しい」乳房再建を目指し、これまで自家再建においては日本トップクラスの手術件数を経験しており、本邦を代表する形成外科医です。すでに全国から再建を希望して他県から来院されている状況です。

  • 乳がん手術全体における乳房再建率は全国平均で約17%です。富山県は10%に満たない状態で、そのほとんどが人工物再建です。近年、人工物によりごくわずかですが、リンパ腫(BIA-ALCL)が発症すると報告されているため、その適応は慎重に行い十分な経過観察が必要であります。しかし、遊離皮弁や脂肪注入などの自家組織再建ではその心配がなく、自然な大きさと形の乳房ができる方法です。 
  • 再生医療の技術を乳房再建に応用しており、乳房の組織欠損部に患者様自身の脂肪組織由来幹細胞の投与を行っています。これは吸引した少量の脂肪から幹細胞を分離・培養し、それを脂肪と一緒に乳房欠損部に注入する乳房再建法です。この方法は吸引する脂肪量を減らしながらも生着率を向上させる方法です。
  • 患者様の状況により、がん手術と同時に再建を行う場合と、しばらく経過してから再建する場合があります。再建法には自家組織再建(穿通枝皮弁法・脂肪注入法)、人工物再建(インプラント法)など、患者様のご希望に沿った選択が可能です。

3.遺伝子診療部門:仁井見 英樹 准教授、福田 令 認定遺伝カウンセラー

遺伝性乳がんの診断や遺伝カウンセリングを担当します。

  • 遺伝カウンセリングを通して遺伝に関するさまざまな心配や疑問へのご相談に対応し、適切な情報を提供するとともに、一緒に最善の解決法や今後の対策を考えます。患者さんご本人だけでなく、ご家族からの相談もお受けしています。各診療科と連携しながら、臨床遺伝専門医と認定遺伝カウンセラーが中心となり対応しています。
  • 遺伝子の検査を受けるかどうか検討する場合にも、患者さんの背景やご家族の情報を基に、遺伝性のがんである可能性を検討し、実際に遺伝子検査を受けるかどうかを話し合います。
  • 乳がんの場合、その約10%は遺伝性(特定の遺伝子が影響して発症している)の乳がんと考えられています。その中で最も多くの割合を占めるのが、BRCA1遺伝子またはBRCA2遺伝子が関わる遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)症候群です。生まれつきこの遺伝子に変化(病的変異)がある場合、一般よりも、乳がんや特定のがんになりやすいことがわかっており、当センターで検査、診断が可能です。主治医または遺伝子診療部にご相談ください。遺伝子検査の実施も含めて対応いたします。

4.がんゲノム・集学的がん診療部門:林 龍二 教授

最新の抗がん剤や分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害剤を積極的に導入しています。

  • がん遺伝子パネル検査:“次世代シークエンサー“にて100以上の遺伝子を同時に調べます。遺伝子変異が見つかった場合には、複数の専門家で構成された委員会(エキスパートパネル)によって検討され、効果が期待できる薬があるかどうかを探索します。当院はがんゲノム医療拠点病院であるため、このような検査を施設単独で行うことが可能であり、また、他院からの検査依頼も受けております。
  • 緩和医療部門ではがん患者さんの痛みに寄り添い、つらい闘病生活を支えます。どんな悩みでも、いつでもお気軽にご相談ください。

5.放射線診断部門:野口 京 教授

術前にがんの進行度を把握するために、CT検査やMRI検査を行います。3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)を導入しており、この3Dマンモグラフィを用いることで、がんの発見率の増加と良性疾患を正確に診断する能力が向上しています。特に日本人に多い“高濃度乳腺”においても乳がん検出能が向上しています。

6.放射線治療部門:齋藤 淳一 教授

乳房部分切除の場合は術後に全乳房に放射線照射を行うことが標準的治療ですが、治療期間が5週間と長期にわたります。当センターでは加速乳房部分照射(SAVI)を導入しており、初回手術時の入院中に放射線照射を行うことで約10日間の治療期間に短縮が可能です。

7.病理部門:井村 穣二 教授

検査により患者さんの体内から採取された組織を、井村教授が顕微鏡で最終診断し、最善の治療を検討する判断材料とします。乳房のしこりや分泌物の原因を判断し良性、悪性を診断します。また、乳がんの種類や性質、広がりや進行状況を診断し、術前術後の補助療法の必要性や最新の薬剤の適応を判断します。

手術で切除した組織も顕微鏡診断を行い、進行度や治療効果などを判定し、患者さんのその後の治療を決定するのに大変重要な役割を担っています。

診療スタッフ

職名 氏名 担当分野 資格
センター長
外科部門責任者
教授
藤井 努 外科部門 日本外科学会 専門医・指導医・代議員
日本消化器外科学会 専門医・指導医・評議員
日本肝胆膵外科学会 評議員・肝胆膵外科高度技能専門医・指導医資格認定委員・技術認定委員
日本消化器病学会 専門医・北陸支部評議員
日本膵臓学会 評議員・指導医・膵癌治療ガイドライン検討委員・膵癌取り扱い規約検討委員・膵疾患臨床研究推進委員
日本胆道学会 指導医
日本肝臓学会 専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
日本癌治療学会 代議員
日本臨床外科学会 評議員
Fellow of the American College of Surgeons International Association of Surgeons Gastroenterologists and Oncologists (IASGO) (Faculty member, Surgical section)
副センター長
形成外科部門責任者
教授
佐武 利彦 形成外科部門 日本形成外科学会 形成外科専門医・評議員
日本外科学会 認定医・専門医・指導医
日本乳癌学会乳腺認定医
日本手外科学会手外科専門医
日本形成外科学会 再建マイクロサージャリー分野指導医
日本形成外科学会 小児形成外科分野指導医
日本形成外科学会皮膚腫瘍外科分野指導医
日本美容医療協会美容レーザー適性認定医
臨床研修指導医
難病指定医
乳房再建用エキスパンダー/インプラント責任医師
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会理事・評議員
日本褥瘡学会評議員
米国形成外科学会正会員
米国外科学会正会員(FACS)
国際美容外科学会正会員
副センター長
外科部門責任者
診療講師
松井 恒志 外科部門 日本乳癌学会 専門医・指導医・評議員
日本外科学会 専門医・指導医
検診マンモグラフィ読影認定医
乳がん検診超音波実施・判定医
乳房再建用エキスパンダー/インプラント責任医師
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
日本消化器外科学会 専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会 専門医
日本肝臓学会 専門医
日本内視鏡外科学会 技術認定医
日本肝胆膵外科学会 評議員・高度技能専門医
副センター長
遺伝子診療部門責任者
仁井見 英樹 遺伝子診療部門 日本臨床検査医学会 専門医・管理医・評議員
日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医
日本臨床微生物学会 認定医
がんゲノム・集学的がん診療部門責任者
教授
林 龍二 化学療法、緩和医療部門 日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医・指導医
日本呼吸器病学会 代議員・専門医・指導医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
日本アレルギー学会 専門医
日本気管支内視鏡学会 専門医
日本結核病学会 結核・抗酸菌症認定医
日本内科学会 総合内科専門医
放射線診断部門責任者
教授
野口 京 放射線画像診断部門 日本医学放射線学会 代議員・診断専門医
日本核医学会 評議員・PET核医学認定医
日本磁気共鳴学会
北米放射線学会
米国神経放射線学会
日本神経放射線学会
日本脳ドック学会
放射線治療部門責任者
教授
齋藤 淳一 放射線治療部門 日本医学放射線学会 治療専門医・代議員
日本放射線腫瘍学会
日本癌治療学会
日本肺癌学会
日本放射線外科学会
日本ハイパーサーミア学会
日本頭頸部癌学会
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
第1種放射線取扱主任者
病理部門責任者
教授
井村 穣二 病理診断、細胞診断 日本病理学会 専門医・指導医・評議員
日本臨床細胞学会 専門医・指導医・評議員
日本臨床検査医学会 専門医・管理医
日本消化管学会 評議員
International Academy of Cytopathology, Fellow
形成外科部門 岡本 茉希 形成外科部門 日本形成外科学会 専門医
乳房再建用エキスパンダー/インプラント実施医師
遺伝子診療部門 福田 令 遺伝カウンセリング 日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会共同認定 認定遺伝カウンセラー
乳がん看護認定看護師 倉田 典子 乳がん看護 乳がん看護認定看護師
がんゲノム医療コーディネーター

外来担当表

曜 日 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
外科
初診・再診
 
形成外科
初診・再診