教授のご挨拶



教授挨拶

血液内科 教授・診療科長
佐藤 勉



 このようにしてみなさまにご挨拶を申し上げる機会を頂き感謝します。2018年に富山大学附属病院血液内科の教授職を拝命し、この地へ赴任して参りました。初夏の日差しが眩しい季節でした。血液内科の新設に伴う初代の教授ということになります。その後、第3内科に所属する血液専門医の配置換えや、血液内科として新たな採用を行って、現在の体制に至っています。幸いにも素晴らしい仲間たちに恵まれて、最近ようやくスタートラインに立てたような気持ちです。石の上にも3年と言いますが、着任していつの間にか4年経とうとしています。

 診療では、大学病院らしいワンランク上を心がけています。それはつまりガイドラインや保険診療の枠内で行われる最低限の医療の上を目指すことであり、これがやがては新たなエビデンスの創出につながるものと信じています。

 医学生や研修医の教育では、これに携わる我々の熱意に伴ってその内容は年々充実してきています。私が赴任した時期に病棟実習をしていた医学部5年生が今年度でようやく2年の卒後研修を終え、そのうちの数名を新年度の入局者として迎えます。これからも志を同じくする若者を多く募り、優れた血液専門医に育てて富山県内や近隣県のみならず国内外へ輩出したいと考えています。

 研究では、実臨床に直結するトランスレーショナルリサーチが実を結びつつあり、新規の分子標的薬や遺伝子改変がん免疫療法でいくつかの特許を出願しました。医薬品として流通するにはまだいくつかのハードルがありますが、ひとつひとつ乗り越えていきたいと思っています。

 富山大学において血液内科の盤石な礎を築くことを使命と心得て、これを全うすべく着実に進んでいきますので、応援をよろしくお願いします。


佐藤 勉 
2022年早春