血液内科

診療体制

日本血液学会専門医4名(4名とも指導医)を中心にして、大学病院らしい高水準の医療を行っています。あらゆる新薬をいち早く導入し、日進月歩する血液内科治療の先端を提供しています。貧血、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、血小板減少症など、すべての血液疾患を網羅し、日本骨髄バンクの移植認定病院として移植医療も行っています。このような医療をより多くの患者さんに受けていただけるよう、地域医療との連携を大切にしています。

主な対象疾患

  • 赤血球系疾患
    鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血(悪性貧血)、再生不良性貧血、溶血性貧血、赤芽球癆、など
  • 造血系・リンパ系疾患
    急性白血病、慢性白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、原発性マクログロブリン血症、真性多血症、本態性血小板血症、骨髄線維症、血球貪食症候群、など
  • 出血性疾患
    特発性血小板減少性紫斑病、血小板機能異常症、先天性凝固異常症、血友病、播種性血管内凝固症候群、血栓性血小板減少性紫斑病、など

高度な専門医療

  • 造血幹細胞移植
    日本骨髄バンクの移植認定病院として、富山県における移植医療の発展に努めてきました。無菌病床は、ISO14644-1規格のclass
    5を2床、class 6を2床、class 7を12床、備えています。広々とした快適なクリーンルームで、高水準の移植治療を受けることができます。幹細胞のソースとしては、自家/同種、血縁/非血縁、骨髄/末梢血/臍帯血など、すべてに対応しています。
    造血幹細胞移植
  • 先進的な遺伝子検査
    血液内科の診療は日進月歩で、正確な診断に遺伝子検査が必要とされる疾患は増え続けています。しかしながら、保険診療で行える遺伝子検査は限られています。必要とされる遺伝子検査は増え続けているのに、検査の体制が追いついていないのが実情です。当科では、商業ベースで行われていない遺伝子検査も、必要性に応じて個別対応しています。
    SRSF2遺伝子の変 異
  • 骨の健康に留意した悪性リンパ腫治療
    リツキシマブという抗体薬が登場して、悪性リンパ種の治療成績は著しく向上しました。長期予後が期待できるようになる一方、治療に用いられる副腎皮質ステロイドの副作用で骨粗鬆症となり、圧迫骨折などの合併症のため治療後のQOLが低下する患者さんも少なくありません。当科では、リンパ腫治療が終わったあとの生活も念頭に置いて、骨粗鬆症のリスクが高い患者さんには、デノスマブやゾレドロン酸などの新薬を積極的に用いて、その予防に努めています。
    悪性リンパ種の治療後に発症した圧迫骨折

専門外来

・リンパ腫外来

首にしこりがある、扁桃腺が腫れる、原因不明の熱が続くなど、悪性リンパ種には様々な症状がありえます。このようなリンパ腫が疑われる患者さんには、リンパ節生検や骨髄検査を行って正しく診断することが大切です。ひとくちに悪性リンパ腫と言っても、ただちに抗がん剤治療が必要なタイプ、しばらくは経過観察で問題ないタイプなど、様々な組織型があります。この組織型にもとづいた適切な治療をご提案しています。

担当医 佐藤 勉、菊地尚平
診療日 月・水(佐藤)、金(菊地)
受診方法 地域連携予約、紹介状持参が原則です。

・貧血外来

貧血で最も多い原因は鉄欠乏ですが、鉄剤で改善しない場合は、骨髄異形成症候群、再生不良性貧血、溶血性貧血などの可能性を考える必要があります。また、赤血球が多い、白血球が多い・少ない、血小板が多い・少ない場合も精密検査が必要です。このような患者さんに骨髄検査や遺伝子検査を行って診断し、適切な治療を行っています。

担当医 佐藤 勉、神原 悠輔
診療日 月・水(佐藤)、月(神原)
受診方法 地域連携予約、紹介状持参が原則です。

・骨髄腫外来

高タンパク血症、腎機能障害、原因不明の骨折など、多発性骨髄腫が疑わしい患者さんに的確な検査を行って、治療の必要性を診断します。この分野の治療はこの数年で目覚ましい進歩を遂げ、ご高齢の患者さんでも安心して抗がん剤治療を受けていただくことが可能になりました。新薬を数多く取り揃えて治療に取り組んでいます。

担当医 佐藤 勉、和田暁法
診療日 月・水(佐藤)、水・金(和田)
受診方法 地域連携予約、紹介状持参が原則です。

・造血幹細胞移植外来

急性白血病や骨髄異形成症候群、再生不良性貧血、多発性骨髄腫、再発・難治の悪性リンパ腫などの患者さんに造血幹細胞移植を行います。自家移植、同種移植ともに行っています。同種移植のソースとしては、血縁(半合致も含む)、非血縁、臍帯血のすべてに対応しています。

担当医 佐藤 勉、和田暁法
診療日 月・水(佐藤)、水・金(和田)
受診方法 地域連携予約、紹介状持参が原則です。

主な検査・設備など

  • 骨髄検査
  • リンパ節生検
  • 薬物療法(化学療法/抗体療法/分子標的療法)
  • 自家および同種造血幹細胞移植
  • 無菌病床:ISO14644-1規格 class 5(2床)、class6(2床)、class 7(12床)

診療実績

新規患者の疾患別内訳(直近6ヶ月):
悪性リンパ腫 48例
多発性骨髄腫 12例
再生不良性貧血 5例
骨髄異形成症候群 5例
多血症 5例
鉄欠乏性貧血 3例
特発性血小板減少性紫斑病 3例
好酸球増多 3例
先天性凝固因子欠乏 2例
サラセミア 2例
血友病 2例
急性骨髄性白血病 1例
急性リンパ性白血病 1例
慢性リンパ性白血病 1例
慢性骨髄単球性白血病 1例
血球貪食症候群 1例
慢性播種性血管内凝固 1例
血栓性血小板減少性紫斑病 1例
抗リン脂質抗体症候群 1例
後天性血友病 1例
その他 17例

診療科紹介

富山大学附属病院は富山県に唯一の大学病院であり、その血液内科として高水準の医療を提供できるようにこころがけています。血液検査の異常値やリンパ節腫脹などの症状から血液疾患を的確に診断し、治療においては適切な選択肢を提案します。丁寧で優しい説明をモットーとし、ご高齢の患者さんであっても、より副作用の少ない新薬などを使って上手に治療しています。地域医療との連携を大切にしながら、大学病院らしい血液内科の診療を発展させてゆきます。

診療科長  佐藤 勉

スタッフ紹介

氏名 職位 専門領域 資格など
佐藤 勉 診療科長
教授
血液学
臨床腫瘍学
日本内科学会 総合内科専門医・指導医
日本血液学会 専門医・指導医・代議員
日本造血細胞移植学会 認定医・評議員
日本臨床腫瘍学会 専門医・指導医・協議員
日本がん治療認定医機構 認定医・暫定教育医
インフェクションコントロールドクター
日本消化器病学会 専門医
日本消化器内視鏡学会 専門医
和田 暁法 診療副科長
診療教授
血液疾患
造血幹細胞移植
輸血医学
化学療法
日本内科学会 総合内科専門医・指導医
日本血液学会 専門医・指導医
日本造血細胞移植学会 認定医
日本輸血・細胞治療学会 認定医・I&A視察員
菊地 尚平 講師 血液学
臨床腫瘍学
日本内科学会 総合内科専門医
日本血液学会 専門医・指導医
日本臨床腫瘍学会 専門医・指導医
日本がん治療認定医機構 認定医
日本消化器病学会 専門医
神原 悠輔 助教 血液疾患
造血器腫瘍
細胞免疫療法
造血幹細胞移植
日本内科学会 総合内科専門医
日本血液学会 専門医・指導医
日本がん治療認定医機構 認定医
峯村 友樹 医員
藤平 琢磨 医員    

外来担当表

曜日 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
血液内科 佐藤
神原
  佐藤
和田
峯村
藤平(再診のみ)

和田(再診のみ)
菊地(再診のみ)

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