事業内容

CONTENTS

a)地域連携に基づく脳卒中・心臓病対策、患者支援

 地域包括ケアシステムなどの医療・介護・福祉の連携に有用な脳卒中・心臓病支援チームを、多職種(医師、看護師、リハビリ技師、検査技師、薬剤師、MSW、ケアマネージャー、事務方など)をメンバーとして当院に構築します。脳卒中・心臓病支援チームは、「脳卒中・心臓病等相談窓口」を通して急性期の治療から始まり慢性期の介護に到る医療・介護・福祉・就労・障害に関する相談支援や、他施設・行政との連携を図ります。
 この窓口は、患者が回復期リハビリテーション病院、長期療養型病院に転院したり、自宅に退院したあとも、患者やその家族の要求に応じて、いつでも相談に乗ることができます。

b)急性期から回復期にかけてのスムーズなリハビリテーションの実施

 脳卒中の発症後、可及的速やかに急性期リハビリテーションを積極的に実施するとともに、病院間連携契約を締結している回復期リハビリテーション病院へのスムーズな転院を実現させて、機能回復に最も重要とされる発症から最初の3ヶ月間に回復期リハビリテーションの効果を最大限に発揮させるよう努めます。転院に際しては、県内で稼働している脳卒中連携パスを最大限に利用します。

c)脳卒中・心臓病に関する適切な情報提供、相談支援

 多職種(医師、看護師、リハビリ技師、検査技師、薬剤師、MSW、ケアマネージャー、事務方など)によって構成されたチームで、医療、リハビリテーション、介護、身体障害の認定(運動障害、失語、嚥下障害、視覚障害、高次脳機能障害を含む)、心理サポート、就労・復職の支援、福祉サービスなどを手厚く支援します。

d)脳卒中・心臓病等の緩和ケア

 脳卒中・心臓病等は、重症の場合、本人はその意思を示すことができず、その家族も突然の発症に対する驚き、悲しみ、不安などに苦しめられます。このような患者・家族の苦しみや悩みを継続的に和らげる緩和ケアに取り組みます。終末期意思決定支援はもちろん重要な緩和ケアの1つですが,家族も含めたメンタルケア、復職支援、アドバンスケアプラニングなどにも広く対応します。

e)脳卒中・心臓病等の後遺症を有する患者に対する支援

 脳卒中・心臓病等の患者さんが有する後遺症に対して、医療のみならず介護、福祉などを積極的に提供します。

f)脳卒中・心臓病等患者の治療と仕事の両立支援・就労支援

 「脳卒中・心臓病相談窓口」にある多職種チームが中心となって、患者の要望に応じて職場と交渉するなど、患者の復職や就職を促進できるよう努めます。

g)小児期・若年期から配慮が必要な脳卒中患者の長期的支援

 先天性心疾患は小児期・若年期から配慮を要する代表的な循環器疾患であり、患者の自立と成人期医療体制への移行(いわゆる移行医療)が非常に重要です。富山大学は日本海側では唯一の成人先天性心疾患専門医総合修練施設であり、富山県とも連携を強化し循環器病患者の長期的支援体制を強化します。また、もやもや病は、わが国特有の小児期・若年期に脳卒中を招く疾患であり、重症の場合、運動などの身体機能障害、記銘力・判断能力低下などの高次脳機能障害を後遺症として残すことがあります。乳幼児の場合は就学が困難になる、若年患者の場合は就職に困難が生じるなどの問題が発生します。
 脳卒中・心臓病等総合支援センターでは多職種チームが中心となって、患者や家族の要望を踏まえつつ、適切な介護や福祉サービスを受けられるよう助言するほか、学校や職場と交渉して、できるだけスムーズな就学や就職ができるよう支援します。

医療関係者・教育関係者のためのもやもや病就学支援マニュアル

h)地域住民を対象とした情報提供、普及啓発

 脳卒中の一次予防について広く地域住民に喚起、周知するために定期的に当院主催の市民公開講座を開催します。

i)地域の医療機関、かかりつけ医を対象とした研修会、勉強会等の開催

 病診連携が進んでいる昨今、脳卒中・心臓病等の一次予防または再発予防(二次予防)には、地域の医療機関、かかりつけ医との緊密な連携は必須です。そこで、地域の医療機関、かかりつけ医とのVPNネットワークを形成して、患者情報の共有を推進するとともに、かかりつけ医などが治療方針で迷った際にいつでも気軽に当院の専門医に相談できるシステムを構築します。また、脳卒中・心臓病の最新の動向や知識を知ってもらうために、年2〜3回程度、対面+遠隔で参加できる「こんなに変わった脳卒中!」、「こんなに変わった心臓病!」、「重症心不全に対する最近の治療戦略」、「循環器外来で成人先天性心疾患患者を診る」などと題する勉強会を開催して、病診連携の際の診療の質の向上に努めます。

j)効率的に支援するための資材(パンフレットなど)の開発・提供

 本事業では、患者・家族に対して多職種チームで作るパンフレットや冊子体を開発、提供する。内容としては、①急性期脳卒中に対する治療法の進歩、②リハビリテーションの実際、③抗血栓薬の使い方と注意点、④脳卒中患者に対するさまざまな介護・福祉サービスの紹介、⑤介護保険を利用した行政サービスの紹介、⑥心臓等疾患についての簡単な説明(診断や治療法など)、⑦重症心不全などに対する最新の治療法の解説、⑧生活習慣の改善や心臓リハビリテーションの必要性、⑨先天性心疾患に対する移行期医療などを予定しています。

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