センター概要

OUTLINE

2022年度、当院は厚生労働省が初めてスタートさせた「脳卒中心臓病等総合支援センター」のモデル事業にて、全国で10都道府県11病院の一つとして指定されました。
このセンターの理念は、脳卒中や心臓病等に関する専門的な知識を有し、地域の情報提供等の中心的な役割を担う医療機関として、当院のみならず富山県、医師会、県内の医療施設、急性期病院、回復期リハビリテーション病院、かかりつけ医、患者・家族、そして患者団体などと連携しながら、富山県全体の脳卒中・心臓病等の患者さん、ご家族に対して、脳卒中・心臓病等の予防、治療、リハビリテーションなどにおける包括的な支援体制を体系的に構築して、富山県における患者さんの支援体制を今まで以上に充実させることを目的としています。
当院では、その目的を達成するために医師、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー、リハビリテーション技師、事務など多職種の専門家がチームを結成しています。その概略は図1にまとめています。本センターは、富山県に在住する全ての脳卒中、心臓病等の患者さんを対象としていますが、2022年度は本事業がスタートしたばかりであることから、2022年度は当院の患者さんのみを対象とします。

1)当院における脳卒中診療

当院は2018年4月に包括的脳卒中センターを設置して、これまで以上に数多くの急性期脳卒中患者の受け入れ、診療にあたっている県内ナンバーワンの施設です。2021年に入院した脳卒中の患者さんは148名、tPA静注療法を実施した患者さんは7名、機械的血栓回収術を実施した患者さんは9名、脳血管障害手術・血管内治療は186件でした。脳卒中あるいは脳血管疾患の患者さんは、富山県のみならず岐阜県(飛騨地区)、新潟県(上越・糸魚川地区)、石川県などからも広く受け入れています。2019年9月、24時間365日脳卒中患者を受け入れて脳卒中専門医が速やかに診療を開始できる施設として、日本脳卒中学会から一次脳卒中センター(PSC)に認定されました。富山県では10施設がPSCに認定されましたが、当院はこれまでの実績から富山県唯一の「地域においてコアとなるPSC施設(PSCコア施設)」として活動するよう同学会から委嘱されています。ここ数年、リハビリテーションについても診療科の開設、技師の増員を長期的に図っています。
また、2014年4月から当院脳神経外科は、急性期脳卒中を診療する県内施設をとりまとめて、インターネットを利用した富山県脳卒中データベース(TOY STORE)を確立して、富山県・富山県医師会の脳卒中に対する予防・治療の政策立案に協力しています。現在、このデータベースは回復期リハビリテーション病院とも連携して急性期〜回復期の悉皆調査として利用されています。
さらに、当院脳神経外科は日本脳卒中協会・富山支部として。長年、富山県内で市民公開講座を開催してきました。2018年4月には「富山脳卒中の会」を設立して、脳卒中の知識を普及させる冊子の発刊、講演会、リハビリ器具の体験会、個別患者相談会などを展開しています。当院脳神経外科・教授の黒田 敏は、日本脳卒中学会の都道府県脳卒中対策推進委員会における富山県委員、富山県循環器病対策推進協議会の委員を務めています。

2)当院における心臓病等診療

当院では、循環器疾患を包括的に治療する目的で、2017年に県内唯一の循環器センターを開設しました。循環器センターは、1)循環器内科部門、2)心臓血管外科部門、3)先天性心疾患部門、4)低侵襲治療部門、5)心臓リハビリテーション部門の5つの部門から構成されており、各部門の多職種スタッフが定期的に循環器センターカンファレンスを行い、一人ひとりの患者さんに応じた最適な治療法を検討するとともに、最新の知見に関する情報共有や次世代医療人の育成にあたっています。日本循環器学会が行う循環器疾患診療実態調査(JROAD)や日本心臓血管外科データベース(JCVSD)に症例登録を行うほか、2020年以降の富山県内の急性大動脈解離手術症例データベース登録を開始し、富山県・富山県医師会の心血管疾患に対する予防・治療の政策立案に協力しています。
さらに、当院は長年、富山県で市民公開講座を開催してきたほか、「富山県心臓病のこどもを守る会」や「富山県心友会」の活動に積極的に参加するとともに「先天性心疾患患者の小児期から成人期への移行医療体制の確立に取り組んでいます。また、先天性心疾患、動脈硬化を主因とした狭心症や心筋梗塞、動脈瘤、閉塞性動脈硬化症に加え、弁膜症、不整脈などあらゆる心臓病に対して、循環器内科、心臓血管外科、小児循環器科、麻酔科、集中治療室(ICU、CCU)、臨床工学技士、看護師およびリハビリスタッフなど多職種で密に連携を取り合い、お互いの得意分野を補完するようなハートチームを作って診断から治療にまできめ細やかに対処しています。関連する診療科同士のカンファレンスに加え、1回/月の頻度で前述した全ての診療科・メディカルスタッフ参加による循環器センターカンファレンスを開催し、診療レベルの向上に努めています。

① 重症心不全に対する包括的治療
② カテーテル低侵襲治療
③ 難治性不整脈治療
④ 心臓・大動脈疾患への外科治療

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