腫瘍内科について
がん診療の3番目の柱である「がん薬物療法」を担う科としてより一般的な名称です。 さらに当科の特徴としては近年話題の「がんゲノム医療」を担う担当科としての役割が大きくなっています。 2019年に日本の保険診療に登場しましたが、当時から富山県唯一の「がん診療拠点病院」として、県内外のがんゲノム医療発展に努めています。 がん診療はご存じのようにまだまだ発展途上で新規の開発が必要です。このため腫瘍内科では日々先端治療模索する日々です。
緩和ケア内科について
「緩和ケア」というとどのように感じられるでしょうか。 「もう治療法がない」とか「終末期」という言葉を思い浮かべる人もいるかもしれません。 確かに、先のことが見えずに不安となってしまうことは多々あります。 確かに先行き真っ暗なのに今更緩和ケアといわれてもと否定的にとらえてしまうこともあると思います。 しかし、生きている限り、少しでも前向きな、希望になるようなことが何かしらあるものです。 もちろん、痛みやだるさなどの体調不良があれば気力も下がるばかりです。 緩和ケア内科では、まずは身体的な苦痛を取り除くことを最優先とし、さらには将来的な不安についても身体、精神、あるいは社会的環境も考慮したトータルケアを目指します。 どのような状況の患者さんでもとことん寄り添って、満足いただけるような、そんな究極の医療を目指します。
当科の診療
スタッフがまだ少なく、患者数は限定的ですが、部長の林が呼吸器内科、助教の梶浦が消化器内科の専門医であり、肺がん、消化器がんの診療は充実しています。 また、院内、院外から原発不明がん、肉腫、転移性骨腫瘍など様々ながん患者さんが紹介され、多くの診療科と連携を取りながら治療にあたっています。
外来化学療法
現在、抗がん薬物療法の大きな目標は患者さんのQOL(生活の質)を保ちながら、治療を続けることです。 現役世代の患者さんであれば、仕事を続けながら、あるいは、子育てを行いながら治療を続けたいといった希望があります。
こうしたニーズを叶えられるよう多くの患者さんは外来でがん薬物療法を受けています。もちろん抗がん薬の治療には副作用がないわけではないので、十分に配慮をしながら行うことが大切です。
この目的を達成するために当院では総合がんセンターに外来化学療法部門を設けています。ここでは専従の薬剤師、看護師を配置しきめ細かい診療を行います。 この部門の統括は腫瘍内科・緩和ケア内科が行い、がん診療がスムーズに運ぶように配慮します。
緩和医療
「がんと診断された時点からの緩和ケア」という言い方をご存知でしょうか。 がん患者さんはがんそのものによる肉体的な痛みの他にも、不安、焦燥といった精神的な痛みも伴うと言われています。
当院では先ほど出てきた総合がんセンター内に緩和ケアセンターを設置しがん患者さんの肉体的、精神的苦痛に対処しています。 腫瘍内科・緩和ケア内科では緩和ケアにも力を入れており、医師、看護師、薬剤師等からなる緩和ケアチームを作って、心のケアも行なっています。