疑問に思ったこと

Q1.放射線照射の必要が無い理由

FFPの輸血でGVHDを発症したという確定例は無いこと。
融解後に含まれるリンパ球には、異種反応性はほとんど無く輸血後GVHDを起こすことは考えにくいとする報告もあることから放射線照射の対象から外れています。

Q2.交差適合試験を省略する理由
  →FFPは血漿製剤なので、副試験を省略する理由について

輸血用血液製剤の不規則抗体スクリーニングは血液センターで実施され陰性のもの供給されていること。また、FFP中には、赤血球はほとんど含まれていないことから患者の血液型と同型の製剤を使用することを原則として交差の省略が可能です。
また、FFPの交差適合試験は保健請求が認められていません。

*第49回日本輸血学会においてFFP製剤中の抗Naka抗体が原因と考えられた非溶血性輸血副作用症例が報告されています。

Q3.白血球除去フィルターを使用する必要はあるのか?

白血球除去フィルターを使うと白血球は約106個まで除去されます。
FFP中にはもともと白血球が1.1±0.9×106個(FFP-1)含まれていて、白血球徐
去フィルターを使うまでもないと考えます。
FFPは注射薬なので白徐フィルターは保健請求でははねられます。

Q4.バッグに細菌が混入することは考えられないか?
  細菌感染による副作用の報告はどれくらいあるのか?

FFP中の細菌感染による副作用の報告は国内ではありません。
MAPやPCに細菌感染の報告があることから、FFPにも細菌が混入している可能性は充分考えられることだと思います。FFPを37℃で融解した時、細菌は死滅することなく増殖可能とも考えます。
ただ、含まれている細菌によってエンドトキシンショックや敗血症を引き起こすかは分かりません。

※FFP−5の融解後の使用について 〜血液センターより〜
 FFP−5はFFP−1,2に比べて内容量が多い分、融解や輸血するのに時間がか
かります。FFP−1,2は融解後、含有成分は著しく変化するため、3時間以内に
使用しなければいけません。しかし、FFP−5はFFP−1,2に比べて変化は著
しくないので3時間以内で使い切れなくても大丈夫みたいです。

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