2022.07.20

人間は「他人との比較をする生き物」と何かで読んだことがあります。

生きる意味は人それぞれで、結論はなかなか出ないかも知れませんが、「幸せである」という望みは多くの人が持つものではないでしょうか。

では、「幸せ」とは何か?「幸せは満足にあり」とよく言われます。それでは満足とは?この満足を得ることに関してはやや答えが難しいように思います。

「つつましくとも何とか食べていけて、家内安全」が満足という考えもあれば、「出世して、金と名誉を手に入れた」ことを満足と思う人もいるでしょう。

あるいは「高みを追求して努力を続け、到達したらまた次の高みを目指す」ということでいつまでも満足を得られない、といった方もおられるように思います。

さらに、「満足をしたら成長が止まるので満足はだめだ」と考える人がいるかもしれません。

とりあえず、満足できる状態を多くの人が目指すとして、その在り方は多様でしょう。

ただ、その際一つの基準として、「人よりはまし」とか「優越感」をもって満足とすることがあるのではないでしょうか。

つまり、満足の基準は個人の中にある絶対的価値観というより、他人と比較した相対的な価値基準により決定されるように思います。

いくら成功して豊かになっても、ついつい「隣の芝生」を眺めては羨ましく思う心が芽生えるのです。

そして結局は、「あいつはずるい!」、「なんで自分だけ我慢しなければいけないんだ!」となって争いが起こる。

こうした不満の積み重ねが国家間の戦争にまで発展するのではないでしょうか。

ロシアのウクライナ侵攻を見て、この人間の性に基づく戦争をなくすにはどうすればよいのか、改めて考える今日この頃です。(『にな川だより』より転載)

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