2024.12.17

 

 昨年帰国したベトナム人留学生のDungさんを通してベトナム軍医大学附属103軍病院の呼吸器内科センター65周年記念カンファレンスに招待を受けました。このカンファレンスではベトナム呼吸器学会の重鎮がハノイに集まり、最近の呼吸器分野の進歩について発表を行うもので、同センターの所属医師に対する教育的な意義が強いように感じました。私は「日本における非小細胞肺癌の免疫療法」をテーマに30分ほど講演を行いました。皆さん大変フレンドリーでとても有意義な時間を過ごさせていただきました。

 ベトナムは共産党による一党支配の社会主義国ですが、近年、自由経済を導入し非常に活気にあふれる国といった印象です。滞在したのは首都ハノイですが、多くの人が街中にあふれとても活気に満ちています。まさに昭和の高度経済成長時代を彷彿とさせるシーンが多く、懐かしさを感じました。しかし、近代的な高層ビルも多く立ち並び、まさに近代国家へと成長しようとしているエネルギーが感じられました。少し気になったのは大気汚染と道路の渋滞です。はっきりとした原因はわかりませんでしたが、天気は晴れているのに、空は何となくかすんでおり気持ちの良い青空ではありません。これも1970年代の東京とよく似ていると思いました。また、交通インフラの整備は遅れており、ハノイにはごく最近1、2本鉄道路線が開通したとのことです。地下鉄の計画もあるようですが、まだできておらず、その結果として道路には2輪車があふれかいり、とても印象的な光景でした。

 急速に成長しつつあるベトナムでは日本の技術や経験が役に立ちそうで、彼らもそれを取り入れたいと望んでいるようでした。今後も友好関係を維持して、医療技術の交換や人的交流を深めていこうと思いました。以上、ベトナム渡航報告でした。

2024年12月24日 林 龍二

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