先輩医師からの声



富山大学附属病院を基幹型とした研修では、院内全診療科のローテーションはもちろん、約50か所以上の関連施設で研修が可能です。そんな富山大学附属病院で研修した先輩医師の一日を紹介します!



富山大学附属病院内での研修の一日

第3内科の一日

私は研修医なりたての右も左も分からない状態で第三内科での研修が始まりましたが、カルテの使い方や疾患の知識といった基本的なことから、腹部超音波や内視鏡の操作といった技術的なことまで、幅広く丁寧に指導していただきました。また、抄読会や症例検討会の指導も手厚く、学会発表の機会もいただけて、学術的な面でもたくさん学ぶことができるのは第三内科の研修の特長かなと思います。私は人前での発表が苦手ですが、熱心な先生方に指導していただきながら、さまざまなことに挑戦できる環境で研修を始めることができ、自分の成長につながったと感じています。  私自身はもともと消化器疾患の診断や治療に興味があったこともあって、第三内科をローテート先に選択しました。しかし将来、消化器の分野に進まない方であっても、入院中の患者さんの管理を指導医とともに積極的に行っていくことで、全身状態の把握とその対応や腹部症状の見方など、今後の参考になる研修ができると思います。

【1日のスケジュール】

8:00 チーム回診
8:20 朝カンファレンス
9:00 病棟業務・内視鏡検査
12:00 昼休憩
13:00 ERCP、大腸内視鏡、血管造影
17:00 抄読会、症例検討会、キャンサーボードなど
18:30 帰宅の途に…



耳鼻咽喉科の一日

【手術がある日】

 予定手術が週2日あります。 手術には必ず参加。希望、関心ある手術があれば事前に指導医にお願いすれば担当にしてもらえます。 手術の患者は前日入院のことが多く、入院前のカルテ入力、身体診察は研修医がさせてもらえます。手術終了後は退院まで引き続き担当患者として受け持ちます。並行して頭頚部がん治療目的の入院患者も一部受け持つため、化学療法の勉強の機会もあります。


前日PM カルテ入力、診察、手術準備
手術当日 手術2件
術後管理、カンファレンス

【手術がない日】

  手術日でない日は外来の見学および一部耳鼻咽喉科特有の手技をさせてもらえます。他科からのコンサルされた入院患者への診察の見学の機会もあります。 平行機能検査にて用いられる静脈注射をさせてもらえる機会もあります。 他科との合同カンファなど夕方から開始するカンファレンスがない日は定時で終了となります。 手術を通じて先生方との距離が近くなり、気軽に質問できる環境です。 手術および外来での手技は、非常に専門性が高い一方で、どの科に進んでもコンサルをお願いする機会があり、どういった病状の際に耳鼻咽喉科にコンサルすべきかを経験するいい機会になります。

AM 外来見学・入院管理
PM 他科コンサルの診察、検査、急患対応
17:00 合同カンファ(カンファが無い日は退社)



整形外科の一日

整形外科の領域は首から下の筋・骨格系全てであり、手術の術式も多彩で、とても面白かったです。手技自体もノミとハンマーを使ったダイナミックなものから、マイクロサージャリーまで多岐に渡り、その振り幅の広さも特徴です。また、基本的には選択したチームで研修しますが、緊急手術など、興味のある手術があった場合は他のチームの手術であってもその手術に入ることができ、その自由さも魅力的だと思います。実際に、Dチーム研修中にEチーム(手の外科)で再接着の手術が入り、その手術に入らせていただきました。マイクロサージャリーが好きで、研修期間中に再接着の手術を見てみたいと思っていたので、経験することができてとても嬉しかったです。    一番感動したのは、腰椎椎間板ヘルニアによる症状で苦しんでいた患者さんが、術後すぐに下肢の疼痛が消失し、すごく喜ばれたことです。手術してすぐに目に見えて症状改善するというのは、他科では少ないと思うので、整形外科の長所だなと感じました。    今、外病院で救急研修していると、整形疾患で救急受診される方がとても多いです。整形疾患は診察だけでもおおよその診断がつくことが多いので、整形外科ローテ中に外来で診察の仕方などを見ることができ、とても役立ちました。   整形外科に少しでも興味のある方はぜひ研修してみてください!

【1日のスケジュール】

7:30 術前検討会(月木)
8:00 教授回診(火曜日)
8:30 手術(火・木)
9:00 外来(月・水・金)
12:00 昼休み
13:00 術前検討会の準備、自主学習
16:00 夕回診
18:00 退社



救急科一日

救急科での研修は、救急車やwalk-inで来られる患者さんの対応をします。忙しさは来る患者数によるので、一日中対応し続けることもあれば、逆のパターンもあります。救急科の先生方は相談しやすい方ばかりで、空いている時間には、レクチャーをしてくださり、日々の診療に繋げることができます。  毎週水曜日は輪番、第1日曜日・第3土曜日は裏輪番が当てられています。救急車がたくさん来るので、救急対応の経験を積むことができます。また基本的に救急科の先生方が居られて、常に相談できる環境だと思います。深夜にかけての勤務であり、体力的に疲れることもありますが、他の日に代休を取ることができるので、その分休むこともできます。  自分は熊本赤十字病院で12週間救急研修した後に、大学病院での救急研修をしました。熊本赤十字病院は上級医と、検査、コンサルト、フォローに関して相談しながら診療を進める研修で、大学病院でも同様に上級医と相談しながら診療を進めています。  救急対応が終わった後に、一緒に診てくださった上級医と翌日のプレゼン準備を兼ねて、症例の振り返りを行ってくださいます。何を考えて検査を出したか、鑑別で何を考えていたかなど上級医の思考過程を知れるタイミングで、自分ができなかったこと・分からなかったことがわかり、次回診療に繋げることができます。

【1日のスケジュール】

8:00 朝カンファ:担当した症例、救急科入院患者についてのプレゼン
8:30 救急対応 昼食は適宜
17:15 夜勤担当Dr.への申し送り
17:15~ (輪番日以外)帰宅
17:15 (輪番日)救急対応
8:30 翌朝退社



たすき掛け病院での研修の一日

大阪急性期総合医療センター

大阪南の最重症例を数多く受け入れている外科系救急の病院(COVID-19重症例の受け入れも行っています)。研修医の救急対応は3次救急のみで、ERで数をみるというよりは、重症症例の入院から退院までの集中治療を経験できるという点で他の救急研修病院と異なります。手技を経験する機会は圧倒的に多く、挿管手技、CV穿刺、A-lineという基本的手技からトロッカー挿入、気管支鏡、気管切開、IVR手技、穿頭、開頭手技までチャンスがまわってくることがあります。外科系救急なので腸閉塞、消化管穿孔、硬膜外血腫に対する手術や、腹腔内・骨盤内出血に対するIVRなどは救急科が手術を行います。
 当院からの受け入れは初めてであり、まだまだどういうふうに動けば良いかなどはマニュアルなどはありません。実際に働いている3年目のレジデントを見ながら自分もできることからトライしていくという形です。ここでの研修は、2年目の中間〜後半でローテーションすることをおすすめします。

 この研修で得られるもの
・重症例の対応
・集中治療管理(人工呼吸器の使い方、循環作動薬の使い方、栄養療法、全身状態管理)
・手技(CVC挿入、A-line、挿管、挿管補助、その他多数)
・当直:月4-5回、当直代支給あり

【1日のスケジュール】

9:00 カンファ(火曜日は8:15~)
入院症例の現在の状態、治療、方針などについて決定
8:20 集中治療のTCUを管理する(適宜指導医と情報交換、方針確認)
初診がくる場合はそちらを対応。
18:00 当直へ引継ぎ帰宅。
12:00 当直に入った場合の勤務
2か月以上研修する場合は、C当直を担当させていただき夜間の患者さんの管理を行い、 翌朝のカンファレンスで入院患者全員分の発表を行う。
翌9:00 カンファ後は、帰宅




長野県 相澤病院・救急での一日

大学病院ではあまりみないコモンな疾患がとにかくたくさん来るので初期対応などとても勉強になりました。最初はなかなかスムーズに対応できませんでしたが、数をこなすにつれて少しずつ多くの患者さんを診れるようになりました。救急専門医の考え方を症例や反省会などでしっかり学ぶことができたので良かったです。

【1日のスケジュール】

8:00 夜間帯から引き継いだり、新規できたWalk-in症例をみます。 救急車が来れば随時割り振られて対応します
12:00頃 空いた時間に昼食をコンビニや食堂で400円のお弁当を買って食べていました。 お弁当、結構おいしいです。食べ終わったらERに戻って救急車できた患者の対応!
17:30 時間内に転帰を決められなかった時には、夜間帯の研修医に引継ぎします。 その日によってですが、大体救急の先生からその日の症例の反省・アドバイスをいただきます。 反省会が終われば帰宅です
17:15~ 終業後は、コロナが落ち着いていたので同期とご飯に行ったりもしました。


岐阜県 飛騨市民病院での一日

飛騨市民病院では主治医として患者さんと関わるので、治療方針や退院支援などとてもやりがいがあり、勉強になります。もちろん上級医に気軽に相談できる環境なので安心感もあります。外来研修でも様々な症例がくるのでとても勉強になりました。その他在宅医療も経験できで良かったです。地域の方も優しく、周辺のご飯屋さんもおいしかったです。宿舎も新築できれいでした。

【1日のスケジュール】

7:30 受け持ち患者さんの朝の様子を確認しに行きました
8:00 朝のカンファレンスです。 受け持ち患者さんについてショートプレゼンします。
週に2回ほど勉強会があり、担当になった研修医はA4の紙一枚に学んだことをまとめて発表します。
9:00 外来 もしくは 病棟業務を行います。
外来は結構診断や初診までなんでも来るので勉強になります。 対応に困ればすぐ隣にいる上級医に相談できます。
12:00 昼食 病院から弁当が無料で支給されます
13:00 在宅診療・ワクチン業務・外来・病棟業務など行います
17:30 業務が終われば帰宅(週一回程度当直業務があります)
近所に美味しいお店があるので食べに行ったりしました。


離島・へき地研修・地域医療での一日

北海道 摩周厚生病院

外来、救急、病棟業務を上級医に報告および相談するべきことは行ったうえで、一人でこなすことができました。  病床は60床ありますが、20-30床で推移しています。20人程度の入院患者の管理を任され、外来業務や健診業務の合間に病棟管理を行います。初診から入院、退院先のマネジメントをする技量が身に付きます。1人当直で上級医は院内にいない(電話で相談、呼び出しは可能)ので、救急研修が終わってから行くのが望ましいです。
 平日は忙しいですが、土日祝日は完全にフリーになるので道東の雄大な観光地を制覇できます(くまの親子に出会いました)。

【1日のスケジュール】

7:00 病棟業務
8:00 朝の引継ぎ
9:00 健診、救急対応、合間に病棟業務
12:00 昼食
13:30 外来(合間に病棟業務)、救急対応す
17:15 病棟業務
(当直のときは翌朝帰宅)


クリニック研修での一日

富山診療所では、週3~4回の往診を通じて通院困難者の診療や、社会的弱者の診療を行いました。独居の高齢者の訪問診療なども多く実習中に孤独死されたかたの死亡診断書の作成などをする機会も何度かありました。
初期研修としては外来診療の経験や、検査を行いづらい環境での鑑別を考えるなどアウトプットの場として非常に勉強になりました。

【1日のスケジュール】

8:30 ミーティング
9:00 訪問診療・外来診療、検診を実施
12:00 昼食・休憩
13:15 訪問診療・外来診療
17:15 業務終了








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