がん治療の現場から 富山大学附属病院 集学的がん診療センターの先端医療
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治療数は年間約500件根治から緩和治療まで対応─放射線治療を行っている対象疾患は?治療装置と照射技術が進歩“切らずに治す”高精度治療が可能に当院の放射線治療はがん治療がほとんどですが、良性腫瘍でもがんに準じた治療が必要な方や、機能性疾患、例えば血管奇形や甲状腺に絡んだ医療性の疾患で適応となる場合もあります。頭から足の先まで、全身のどこにできたがんにも対応でき、チームを組んで治療を行っています。当院で治療を行う疾患は、脳腫瘍、頭頸部腫瘍、胸部の腫瘍(肺がん、乳がん、食道がんなど)、腹部の腫瘍(膵臓がん、肝臓がん、大腸がんなど)、骨盤部の腫瘍(前立腺がん、子宮がん)、転移に対する放射線治療(リンパ節転移、骨転移、脳転移などの血行性転移)など多岐にわたります。原発性の胃がんや大腸がんに対しては放射線治療は52  放射線治療科 診療科長 教授齋藤 淳一手術療法、化学療法とともにがん治療の3本柱の一つである放射線治療。がん細胞の遺伝子に傷をつけて死滅させ“切らずに治す”治療法で、近年は治療装置や照射技術が大幅に進歩し、高精度治療を実現している。単独で行う放射線治療から抗がん剤や手術と組み合わせた集学的治療まで、ニーズがいっそう高まる放射線治療について、放射線治療科診療科長の齋藤淳一教授にうかがった。

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