がん治療の現場から 富山大学附属病院 集学的がん診療センターの先端医療
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医師主導型臨床研究では乳がん縮小に効果─富山大学附属病院におけるオンコサーミアのこれまでの歩みは?膵臓がんに実績があります。がん腫に効果があった例はいくつも報告されていますが、肉腫に対する成績はまだそれほどよくないです。日本ではオンコサーミアを持つ施設が少なく、そのうちクリニックでは主に緩和ケアに使っている場合が多いので、有効例の件数はまだ少ないです。オンコサーミアだけでがんを治療することは難しいですが、放射線や抗がん剤との併用で一定の臨床効果を示しています。今後、この治療のさらなる発展が期待されています。2013年4月に「富山大学オンコサーミア勉強会」が立ち上げられました。2014年5月に医師主導型の腫瘍温熱療法臨床研究として富山大学倫理審査委員会の承認を得て、同年9月、ハンガリーのオンコターム社との研究契約を締結しました。臨床研究は、内科、外科、産婦人科、整形外科で2015年2月からスタートしました。対象は標準治療が不45   腫瘍温熱療法室 責任者金森 昌彦

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