がん治療の現場から 富山大学附属病院 集学的がん診療センターの先端医療
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発刊によせて富山大学附属病院長 篤志皆さま、こんにちは。本冊子は当院におけるがん診療の特長をわかりやすくお伝えするものです。当院は地域がん診療連携拠点病院であり、ほぼすべてのがんの治療を行っています。今は国民の2人にひとりががんに罹り、3人にひとりががんで死亡する時代になっています。がんの治療は日々進歩しており、当院では常に新しい情報を取り入れています。がんの治療は、抗がん剤、放射線、手術などを駆使して行います。当院にはそれぞれのがんの専門家が揃っており、安心して治療を受けていただけるようにさまざまに配慮しています。膀胱がん、消化器がんではロボット手術で低侵襲手術が行えるようになっています。膵臓や胆道、肝臓のがんでは治療が難しいがんですが、諦めずに治療を行い、少しでも予後を良くできるよう努めています。血液がんでは、骨髄移植なども行い、先端医療で成績を上げています。また、放射線治療では、経験豊富な治療専門医が在籍し、新しい放射線治療装置も導入しています。さらに、他にはない温熱療法も行っています。しかし、がん治療にはそれだけでは不十分です。患者さんの生活の質を向上させるため、緩和ケアセンターをはじめ、就労支援やさまざまな生活支援、さらに遺伝カウンセラーによる遺伝相談など、患者さんの不安を取り除けるよう、当院にはあらゆる職種のスタッフが総合的にがん診療を行っている集学的がん診療センターが開設されています。また、当院は2019年9月からがんゲノム医療拠点病院に指定されており、同年6月に保険適応になった、がんゲノム医療にも対応しています。患者さんのゲノム(遺伝子)の情報を解析して、最適な治療法を探します。現時点では、まだ一部の患者さんにしか適応できませんが、今後より多くの患者さんの役に立つことが期待されています。 ぜひ本冊子を参考にして当院を活用していただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。   林  

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