がん治療の現場から 富山大学附属病院 集学的がん診療センターの先端医療
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中本●患者さんの悩みや苦しみを何と伊井●患者さんは、私たちが思ってい会的背景はさまざまです。その中で、患者さんが病気になる前とできるだけ同じように、その人らしい生活が送れるようにお手伝いしたいと思っています。かしてあげたいと思う一方で、もちろん限界もあります。医師ではないので、治療ができるわけではありません。話を聞いて、専門職に「つなぐ」役割がメインになります。だからこそ、私たちの存在が解決のきっかけになるように、患者さんの話に耳を傾け、その人に一番的確な対応ができるように心がけています。るよりもいろいろなことに不安を持っておられると思います。ソーシャルワーカーとして、その不安を少しでも軽減して、その人がやりたいことや、こういった人生を過ごしたいという思いをサポートできればと思います。いのですが、ほほえみサロンのイベント運営などを通して、患者さんが少しでも病気のことを考えずに、沈んだ気持ちを忘れられる時間を作っていきたいと思っています。林●まずは一度、気軽に足を運んでみてください。がん患者さんの「よろず川向●私は専門的な資格を持っていなひとりで悩まないで気軽に相談を ─がん相談支援センターの利用者、もしくは相談を考えている患者さんへのメッセージをお願いします。相談所」として、日常のちょっとした困りごとでも、話してみてはどうでしょうか。というのが、私たちからのメッセージです。いろいろな悩みがあると思いますが、ひとりで悩んで、ひとりで何とかしようとするのではなく、さまざまな人の意見を聞くと、また違った解決策も出てくるはずです。林●担当医から「ちょっと行ってみたら」と言われて、センターに足を運んでくださる方もいます。今は困っていなくても、いざ悩んだときに「がん相談支援センターに行ってみよう」と思ってもらえるように、患者さん本人だけでなく、家族や病院スタッフにも相談室の存在を周知していきたいです。ラシの配布やポスターの掲示のほか、ホームページやフェイスブックなどのSNSでも活動内容を発信しています。2018年度は、のべ600名ほどの利用者が訪れました。前年度の約2倍に伸びており、これからもたくさんの患者さんやご家族に利用していただきたいですね。中本●「ひとりで悩んでいませんか」川向●がん相談支援センターは、チ(左から)中本 敬子(看護師)【専門分野】がん相談(専任)林 直美(看護師)【専門分野】緩和ケア認定看護師・がん相談(専従)伊井 瑞穂(医療ソーシャルワーカー)【専門分野】がん福祉相談(専任)川向 恵美子(事務)【専門分野】がん相談(専任)profile35くぅ(セラピーロボット)【専門分野】癒し担当

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