がん治療の現場から 富山大学附属病院 集学的がん診療センターの先端医療
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方々です。体験者にしかわからない思いを共有し、一緒に考えてくださいます。林●毎月第1火曜、第3水曜に開催している「茶話会」も、がん患者さんと家族のための交流の場です。患者さんや家族は、健康なときには考えもしなかったことに思い悩んでしまうことがあります。そんなとき、ほかの患者さんの体験談を聞くことで、悩みを解決するヒントをもらったり、問題との付き合い方を学んだりすることができます。また、がんの体験を人に話すことで、自分の気持ちを整理したり、悩んでいるのは自分ひとりではないと気付いたりして、心が軽くなったという方もいます。患者さん同士で意気投合して、友人関係を築いている方々もいらっしゃいますね。小冊子や書籍、DVDなども多数用意しています。毎月第1火曜に開催している「ミニ講座」では、医師や看護師などの専門家からがんの最新情報を聞くこともできますよ。林●2018年からは毎月第4木曜に、ハローワークの出張相談も行っています。がんにかかると、職場や同僚に迷惑をかけたくないとの思いから、仕事を辞めてしまう患者さんが少な中本●がんに関する情報提供として、川向●「アピアランスケア」といって、くありません。でも、今は昔と比べて医療が進歩し、「がん=死」ではありません。職場復帰や経済的な問題に悩まないよう、治療と仕事を両立するための相談ができます。ハローワークの相談員からは、職業紹介だけでなく、いかに仕事と治療の両立を続けていくかという具体的なアドバイスもしてもらえます。治療の副作用で変化した外見を手入れすることで、患者さんが自分らしく生活できるようにするためのお手伝いもしています。毎月第2水曜には「ウィッグ試着会」を開いているほか、お化粧とウィッグの体験会なども企画しています。おしゃれをする気力がなくなっていた方も、体験会に参加して、メイクの仕方を教えてもらったり、似合うウィッグをつけてもらったりして、とても活き活きとした表情になって帰っていかれました。体験会をきっかけに、患者さんがおしゃれをして出かけようという気持ちになったと聞いて、うれしかったですね。林●そのほかにも、「折り紙教室」や、笑いを取り入れた体操とヨガの呼吸法を組み合わせた「笑いヨガ」の講座なども開いています。緩和ケア認定看護師林 直美セラピーロボットくぅ33がん相談(専任)看護師中本 敬子がん相談(専任)事務川向 恵美子医療ソーシャルワーカー伊井 瑞穂

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