がん治療の現場から 富山大学附属病院 集学的がん診療センターの先端医療
18/66

超音波内視鏡の治療件数は全国トップクラス─消化器内科の診療体制や設備、治療実績は?「治すためには早期発見しかない」超音波内視鏡で膵臓がんに挑む消化器内科は、「消化管」「肝臓」「膵臓・胆道」、化学療法を行う「腫瘍内科」の4つの専門領域を担当しています。私自身は「膵臓・胆道」が専門で、2018年6月の着任時に超音波内視鏡や経口胆道・膵管鏡などの新しい設備を導入しました。超音波内視鏡というのは、いわゆる胃カメラの先端に超小型の超音波観測装置(エコー)を装着したもので、現在の技術の中で膵臓を最も詳しく観察できる検査機器です。膵臓は胃の後ろにあり、右に十二指腸、左に結腸があります。肺も一部被ってきます。腹部超音波検査で体の外から膵臓全体を検査することは、非常に困難です。そこで、視点を変えて、体の16   消化器内科 診療科長 教授安田 一朗5年生存率が10%未満と極めて低い膵臓がん。この厳しい現状を内科医として打破しようと、全国トップクラスの実績を持つ超音波内視鏡検査で早期発見に挑む。2018年9月に消化器外科と「膵臓・胆道センター」を開設し、2019年7月から民間病院と連携して「膵臓がんドック」をスタートさせた。胃や大腸のようにがん検診で膵臓がんを早期発見し、「治せる病気」にすることを目指す安田一朗教授に話をうかがった。

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る