緩和ケアマニュアル
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線量処方 照射部位の正常組織の耐容線量,患者全身状態により様々な線量処方があるが,止血に限定した目的であれば30Gy/10~15回/2~3週間でも効果が期待できる.状況により40~50Gy/20~25回/4~5週間程度までの線量追加も検討される.また密封小線源治療の可能な臓器(子宮頸癌・体癌など)では12~18Gy/2~3回/2~3週間程度の照射も行われる. ⑷ 気道狭窄放射線治療の目的と意義 悪性腫瘍による気道狭窄で切除不能の場合,緊急性があればステント留置やレーザー焼灼術が考慮される.呼吸機能低下の程度が生命の危機にないものか,放置すれば気道閉塞の恐れが高い場合に照射の適応となる.線量処方 緩和目的の場合,30~39Gy/10~13回,37.5~45Gy/15~18回程度の線量が選択されることが多い.根治的に治療が可能な場合は60Gy/30回/6週程度の(同時化学)放射線治療を施行する. 歴史的には18~22.5Gy/3回/3週程度の気管支腔内照射も行われていた.86

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