緩和ケアマニュアル
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★ビスホスホネート製剤やランマ-クによる顎骨壊死発症のリスクがあるため,口腔衛生に注意する.★症状が悪化する前に専門的口腔ケアを依頼する.口腔ケアの方法 ★基本は口腔内の保清と保湿・ケア開始前の保湿 保湿剤を塗布しながら,唾液腺や頬粘膜をマッサージし,唾液の分泌を促す. 汚れがひどい場合は,保湿剤を塗布後,数分放置してから口腔ケアを行う.・歯ブラシやタフトブラシによる歯の清掃・舌ブラシやスワブで舌苔の除去・湿らせたスワブ綿球で歯面や粘膜を清拭し剥離物を回収・仕上げの保湿 保湿剤は,手の甲に米粒大ほど出し指で口腔粘膜全体に塗り広げる.◇義歯の取り扱い・毎食後,義歯用ブラシを用いて流水下で十分に洗浄(歯磨き粉は研摩剤が含まれているので使用しない)・菌の繁殖を予防し口腔粘膜を休ませる目的で,夜間(もしくは時間を決めて)は義歯を義歯洗浄剤に浸けておく.★ケアに難渋する場合は「口腔ケアSOS」(相談・アドバイスのみ,ケアへの直接介入なし)や「周術期口腔ケア」(ケアへの直接介入あり)へ依頼する.78

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