緩和ケアマニュアル
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 7.気持ちのつらさ 患者が気持ちのつらさを体験していることは見逃されやすい.表情が固い,眠れない,食欲がない,意欲低下,焦燥などから推測するように患者を診る.患者には以下のように聞く.また身体の苦痛が気持ちに影響を及ぼしていることも多いため,身体の苦痛を取り除くよう努める. 評価◆気持ちのつらさとして頻度の多い「抑うつ」をスクリーニングするためには,以下の2つの質問を用いる. 1)気持ちが落ち込んでいませんか?(抑うつ気分) 2)物事が楽しめますか?(興味や喜びの喪失) 上記2つとも当てはまる人はうつを伴う疾患である確率が9割以上といわれる.治療が必要.◇つらさと支障の寒暖計(Akizuki,2005)※「つらさ」が4点以上,かつ「支障」が3点以上であると,ケアが必要な気持ちのつらさである可能性が高い.① この1週間の気持ちのつらさを平均して,数字に〇をつけて下さい.② その気持ちのつらさのためにどの程度,日常生活に支障がありましたか?67最高につらい →中くらいにつらい →つらさはない →最高に支障がある →中くらいに支障がある →支障はない →

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