緩和ケアマニュアル
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 ⑷ 食欲不振進行がんの60~90%にみられ,原因は多岐にわたる.がん悪液質の有病率は高く,存在を考慮して探る. 評価 原因の検索① がん悪液質② 疼痛などの苦痛症状③ 高Ca血症④ 胃拡張不全症候群:  食欲はあるが食べるとすぐにお腹がいっぱいになる⑤ 口腔の問題:口内炎,味覚異常,義歯不具合等⑥ 嚥下障害⑦ 消化管閉塞⑧ 便秘⑨ 抑うつ状態 治療 原因に応じた治療をするがん悪液質:半年で5%以上の体重減少と食欲不振,筋力低下,倦怠感,炎症反応などがあればがん悪液質としての治療を考慮する.輸液:消化管閉塞でも,予後が1~2ヶ月以上見込めれ   終末期は1000mL/日以下の補液に減量考慮NSTへのコンサルトSTEPに関わらずSTEP1:消化管蠕動促進薬,制吐剤STEP2:ステロイド(効果と副作用・予後のバランスを考える)ば積極的な高カロリー輸液の適応がある.59

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