緩和ケアマニュアル
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 当院の緩和マニュアルは,平成9年度に「富山医科薬科大学附属病院疼痛緩和治療マニュアル」が策定された.これは疼痛に焦点をしぼったものであったが,その後,平成24年に「富山大学緩和ケアポケットマニュアル」が策定された.ポイントは,ポケット版であることと,富山大学附属病院の実情に合わせた内容であることで,日々の現場で使用して頂ければという思いが込められて作成された. 平成28年には当時の承認薬剤やガイドラインにあわせて改訂を行った.令和元年には,非がんの緩和についても言及し,心不全や神経難病に対する内容を追記した.また,がん関連血栓症についても言及し,現場からの症状緩和の要望として多い不眠への対処も追記した. ポケット版ではあるものの必要な時に手元にない,という声に答える形で令和2年にはwebブック化を行った.これによりgoogle検索等で「富山大学 緩和ケアマニュアル」と検索頂ければ,いつでもどこでもスマホやパソコンでマニュアルを参照できることとなった.院内のマニュアルにとどまらず,院外の方にも参照頂けるものへと進化した. 今回の改訂では,当院の採用薬での薬品名記載ではなく,一般名での記載とすることで,院外での使用にも考慮した.のみならず,希望の施設にはマニュアルのデータを提供し,各施設のマニュアルの資料として頂ければとも考えている. このマニュアルが当院での緩和ケアの切れ目をなくすことに資するのみでなく,院外での緩和ケアの向上に資すれば幸いである.令和4年12月1日 国立大学法人富山大学附属病院   集学的がん診療センターがん緩和部門梶浦 新也序文

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