緩和ケアマニュアル
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◇処方例2ステロイド腫瘍圧迫による痛み,骨転移痛に使用*3~5日で効果判定鎮痛補助薬と「適応」 現在,神経障害性疼痛治療ガイドラインで推奨されている鎮痛補助薬の中で,疼痛治療に適応が承認されている薬剤は,プレガバリン(神経障害性疼痛,線維筋痛症),ミロガバリン(神経障害性疼痛),カルバマゼピン(三叉神経痛),メキシチレン(有痛性糖尿病性神経障害),デュロキセチン(糖尿病性神経障害,線維筋痛症,慢性腰痛症,変形性関節症),アミトリプチリン(末梢性神経障害性疼痛),ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液(帯状疱疹後神経痛,腰痛症,頚肩腕症候群,変形性関節症,肩関節周囲炎)のみである.このうちプレガバリンは神経障害性疼痛に特徴的な,異常感覚(刺痛,電撃痛,アロディニアなど)などを認める場合には使用が検討されるが,開始後の眠気やふらつき・浮腫に注意が必要である.また,腎機能障害患者では減量を要する(巻末の薬剤の頁を参照).一方,デュロキセチンやアミトリプチリンなどの抗うつ薬は,セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬であるため,トラマドール製剤との併用によりセロトニン症候群が生じやすくなるので注意しなければならない.デキサメタゾン錠またはベタメタゾン錠4~8㎎×1回/日 朝 または,2~4㎎×2回/日 朝昼 で開始効果がみられれば0.5㎎~4㎎/日に減量維持,効果がなければ中止40

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