緩和ケアマニュアル
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・開始時や増量時では,数日,眠気や軽い傾眠が生じる (過量投与でなければ1~2週間ほどで慣れる).・眠気の出現により不安が増強する場合があり,丁寧に説明を行っておくことが重要である.・ふらつきや転倒転落を予防する.・眠気に対して有効な薬剤はないため,患者本人がつらい眠気でなければ見守る.・眠気と痛みがゼロになることは難しい状況もある.眠気と痛みとどちらが苦痛か,を指標に疼痛薬量を決定するなど,症状の消失よりも生活の質の改善を目標に治療を行う.c.眠気 評価1.眠気が不快かを患者に聞く   眠気が不快でなく    呼吸回数が10回/分以上 ⇒ 経過観察する    呼吸回数が10回/分未満 ⇒ オピオイド減量考慮2.原因を検索する ⇒ 可能なら原因病態の改善 ① 薬剤を見直す⇒減量または中止 ② 血液検査(高Ca血症,高血糖,腎機能障害,脱水,         高アンモニア血症,感染症) ③ 酸素飽和度(低酸素血症)⇒ 酸素療法 ④ 画像検査を見直す(脳転移)31

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