緩和ケアマニュアル
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 4)流涎への対応 5)コミュニケーション障害に対する対症療法 ALS患者へのPEG造設は,努力肺活量(FVC)が50%以上の場合は安全に施行できるが,FVCが30%未満では不可能とされるため,嚥下機能が保たれている場合でもPEG造設のタイミングに留意する必要がある. ALSの死因の33%,Parkinson病の死因の54%が肺炎である.誤嚥は経口摂取を中止しても唾液によって生じる.◇処方例1.アミトリプチリン(10㎎)  1錠×1回/日 朝食後から開始して漸増.2.トリヘキシフェニジル塩酸塩(2㎎)  1錠×3回/日 毎食後 口渇や排尿障害ならびに便秘などの副作用で継続困難になることが多い. 構音障害が進行するとコミュニケーションが困難となる.その時点で残存している機能を最大限引き出すために,・透明文字盤・携帯型会話補助装置・意思伝達装置などが用いられる.130

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