緩和ケアマニュアル
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治療 低心拍出状態の場合は静注強心薬を考慮する.食事摂取量が減少している場合は,点滴の実施,必要に応じて利尿薬の中止を考慮する.β遮断薬は心不全の標準的治療であり,長期予後改善効果が期待できない場合は減量・中止を検討する.◆心不全に対するステロイド 3)疼痛 狭心痛や関節痛,神経障害性疼痛やカテーテルチューブ挿入によるものなど,さまざまな疼痛を訴えることがある.治療◆心不全患者のNSAIDs投与は,腎機能障害を増悪する可能性があることや,水分貯留を助長し心不全を増悪させる可能性があり,必要最小限の量に使用を留める.STEP1:アセトアミノフェンの内服や注射を検討STEP2:鎮痛補助薬としてガバペンチンやプレガSTEP3:モルヒネなどオピオイドの使用を考慮がん治療においては倦怠感緩和目的としてステロイドが使用されることも多いが,ステロイドは体内ナトリウム貯留によって血管内容量の増加をきたし,溢水の増悪やせん妄を惹起する可能性があり,基本的には控えるべきと考えられている.バリンなど検討124

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