緩和ケアマニュアル
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 心不全とは心臓が悪いために息切れやむくみがおこり,だんだん悪くなり,生命を縮める病気であり,病の軌跡はがんなどとは異なる.アドバンスケアプランニング(ACP)の中で,症状の改善が一時的なものであること,心不全の急な再増悪があること,再増悪後は治療しても症状がなくならない状態に陥ることがあること,など心不全の病の軌跡を患者と家族がよく理解することが重要である.あらかじめ心不全の病の軌跡を患者・家族が理解していれば,どの段階で緩和ケアを提供すべきか,あらかじめ患者・家族の考えを確認しておくことが可能である.ACPを行う時期としては①初回の心不全入院中または退院後,②2回目の121心不全患者の臨床経過及び提供されるケアのイメージⅤ.非がんの緩和ケア 1.循環期疾患(心不全)

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