緩和ケアマニュアル
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 14.これも緩和ケアです 緩和ケアは全人的苦痛に対応するものであり,その人らしく生きられるよう支援するものである.そのためには様々な側面からのアプローチが必要であり,医療ソーシャルワーカーはじめ院内外の多職種連携が大切になる. 就業・就学,経済的問題への支援など,MSWとの協働によりその人らしい日常生活を送るための支援.治療と今まで通りの生活が両立できるように支えていく. 大切な人と希望する場所で過ごすための支援.訪問診療・訪問看護・介護保険などを利用し,患者本人だけでなく家族も安心・安楽に過ごせるよう支援する. 緩和ケアの対象は患者とその家族である.家族ケアには,患者が亡くなった後のグリーフケアも含まれる.家族にも全人的苦痛があり,患者同様に全人的視点での支援を行っていくことが必要である.家族が持つ能力を最大限に引き出し,家族機能を維持できるように支えていく. また家族は,直接ケアの提供や意思決定に参加する役割など,様々なストレスにより日常生活に影響を受ける.家族の苦痛にも他職種チームで早期から介入することが119⑴ 社会的支援⑵ 退院・在宅療養支援⑶ 家族ケア

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