緩和ケアマニュアル
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 10.人生の最終段階(終末期)の補液 ここでは主に生命予後が約1カ月以内と推定され,化学療法などを受けておらず,適切な治療行っても経口的に十分な水分・栄養を摂取できない方について述べる.評価1)推定予後(複数のスタッフによる評価)2)経口摂取量3)身体所見(浮腫・胸腹水)4)腎機能,電解質(K値,Na値,Ca値)5)投与可能な補液ルート(中心静脈・末梢・皮下)治療・予後2~3ヶ月以上と推定される場合を除き,高カロリーではなく末梢補液を選択する.・K値が高い際はKを含まない補液を選択する.・低Naについては補正が困難なことが多い.・口渇については補液では改善せず,口腔ケアや氷片などでの対応を検討する.STEP1:1000㎖/日を目安に減量を検討する.STEP2:予後が限られている状況で浮腫・胸腹水を伴っている際は500㎖/日への減量や補液の中止も検討する.STEP3:専門家への相談114

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