緩和ケアマニュアル
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 開胸開腹術前のがん患者に対しては,呼吸リハビリテーションと運動療法との併用が望ましい. 肺がん患者に対しては,有酸素運動・吸気筋訓練・柔軟・ストレッチ・バランス訓練などを行う(肺がん患者の入院期間,胸腔ドレーンの留置期間の短縮:エビデンスレベルB).  5)疼痛原因 がんに関連する痛みは障害部位や状況によってさまざまであり,①がん性疼痛,②がんの治療に伴って生じる痛み,③全身衰弱や合併症など,がんや治療が直接の原因ではない痛みに分類される.評価 NumericalRatingScale(NRS),STAS-Jなどリハビリ 運動療法,ADL訓練,マッサージやモビライゼーションなど患者の症状に応じた包括的リハビリテーションを行う. ADLにおいて疼痛が悪化する要因や軽快する要因を評価し,生活に取り入れるように提案する. 緩和ケアを主体とする時期の進行がん患者に対して,疼痛や呼吸困難などの症状緩和を目的とした患者教育を行う(エビデンスレベルB).※エビデンスレベルは,がんのリハビリテーション診療ガイドライン第2版(公益社団法人日本リハビリテーション医学会,がんのリハビリテーション,診療ガイドライン改訂委員会,2019)に基づき一部紹介.109

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