緩和ケアマニュアル
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リスク 運動負荷が強いと全身倦怠感がさらに強くなる可能性があり,リハビリ専門職が患者の年齢,性別,がんの種類や治療,運動能力レベルなどに基づき,主治医と協同して全身状態のアセスメントを行なった上で,個々の患者に合わせて運動プログラムを行なっていく必要がある. 2)筋力・運動耐容能・身体活動性の低下原因 がん細胞の脳実質や神経系への浸潤や圧迫,化学療法の有害事象による麻痺や安静臥床期間の延長,術侵襲により生じる.評価 握力, ManualMuscleTesting(MMT),6分間歩行テスト,BarthelIndex(BI),ECOGPerformanceStatusScale(PS)などリハビリ 廃用による筋萎縮・筋力低下の予防には,最大筋力の20~30%の筋収縮(日常生活と同程度の筋活動量)が必要とされ,筋力増強目的であればさらに強い負荷が必要とされる.上肢プッシュアップ,下肢スクワットなどの筋力増強運動やトレッドミル,エルゴメーターを用いた持久力運動(有酸素運動)を行う. 3)リンパ浮腫原因 がん(乳がん・子宮がん・卵巣がん・前立腺がんなど)に対するリンパ節郭清をともなう手術や放射線療法などによって,リンパ液がリンパ管に回収されなかった場合に生じる.107

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