緩和ケアマニュアル
115/172

 7.漢方薬について がん治療における支持療法としての漢方薬の考え方,使い方について本章では述べる.漢方の基本的な考え方<陰陽>1)陽証:熱が主体の病態で体を冷やす漢方薬を選択2)陰証:寒が主体の病態で体を温める漢方薬を選択 入浴やカイロで温めると症状が改善する,冷房や冷たいものを摂取すると症状が悪化する,寒い季節になると体調が悪くなる→陰証と考える.癌性疼痛は温めると改善することが多い.<気血水>気:生命活動を営む根源的なエネルギー  失調状態としては気虚,気うつ,気逆がある血:生体を物質的に支える赤色の液体  失調状態としては瘀血,血虚がある水:生体を物質的に支える無職の液体  失調状態としては水毒(水滞)がある がんに罹患している患者は気虚(倦怠感,食欲低下),気うつ(気分が落ち込む,物がつかえておちていかない),血虚(脱毛,皮膚乾燥,貧血),水毒(浮腫)になりやすい.全身倦怠感 → ① 陰証:人参湯+真武湯         温めるとよい         入浴で疲れる103

元のページ  ../index.html#115

このブックを見る