緩和ケアマニュアル
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⑵ 高齢者の栄養管理の特徴 1)栄養療法Generated-SGA)なされていない.そのため,緩和ケアの質の向上,スタッフのメンタルヘルスやモチベーションの観点から,高齢者の緩和ケアにかかわる介護スタッフの教育に取り組む必要がある.また,高齢であることや自立能力が低下しているなどの理由により,適切な医療およびケアが受けられない差別をエイジズムと呼ぶが,これは認知症など判断能力が低下している患者において行われる危険性が高い.医療職,介護職を対象にしたこうした人権に配慮した生命倫理教育が必要である.高齢者の緩和ケアは,医師のみならず,看護職,ソーシャルワーカー,介護サービスの担当者,リハビリテーションの担当者,心理士,栄養士,ボランティア,家族などによるチームケアである.多職種カンファレンスへの参加は,他職種との相互理解と共通認識を深めることにつながる. 高齢者は加齢と共に運動・骨格筋量の減少・消化管機能の低下・嚥下機能低下など注意が必要であり,⑵で紹介するツールを用いながら,早期から栄養管理や多職種による関わりが必要である. 2)栄養関連評価ツール  ① 栄養評価PG-SGA(Patientがん患者向けのアセスメントツールSGAに加え,栄養関連指標や体重変化項目が追加100

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