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くすりと上手につきあうために

おくすりと上手につきあうために
薬の上手な保管方法

●病院や調剤薬局で受け取った薬は以下のポイントを守って保管しましょう。

直射日光・高温・多湿を避ける。

薬は、光や温度、湿度などによって効能が落ちる場合が多くありますので、特に指示がない場合は、日光、高温、湿気を避けて、室内で保管しましょう。

薬の保管方法と注意点


残っている古い薬は処分する。

特に医師の指示がない場合は、薬袋に書いてある日数内で服用してください。残っている古い薬や見た目に異常がある薬を使うことは避けてください。病気の症状が改善されたり、飲み忘れなどで薬が残ったりした場合は早めに処分しましょう。以前と同じような症状でも原因が違うことがあり、自己判断で服用すると危険な場合があります。また、同じような症状の人にあげたりするのも同様に大変危険なことですので避けてください。

子どもの手の届かない所に保管する。

子どもの誤飲事故の約20%は、医薬品などによるものです※1。子どもは何でも口に入れる傾向があり、それが薬かどうかがわかりません。食後に飲もうとテーブルに置いておいた薬を、乳幼児が飲んでしまったケースもあります。誤飲を防ぐために、子どもの手が届きやすいところに薬を置かないよう、常に注意しましょう。
※1 厚生労働省「家庭用品などに係る健康被害病院モニター報告」(平成23年度)

包装シートの誤飲に注意。

錠剤やカプセル剤は必ず包装シートから取り出して飲んでください。包装シートを1回分ずつハサミでカットして保管している場合に、うっかり包装シートのまま飲み込んでしまい包装シートがのどや食道などを傷つけてしまう事例が多く報告されています。

包装シートの誤飲に注意

 

他の容器に入れ替えない。

お薬手帳とは服用している薬の名称や用量、過去に経験したアレルギーや副作用等の情報を記録するための手帳です。いくつもの医療機関に受診した際に、お薬の重複を回避できますし、それまでの服薬内容を円滑に伝えることができます。普段からお薬手帳を持ち歩きましょう。特に、複数の医療機関に受診されている場合は、お薬手帳を1冊にまとめて管理することが大切です。

まちの調剤薬局とは?

調剤薬局ってどんなところでしょうか

A. お薬の安全性がわかります

処方されたお薬の薬歴簿を作成しています。これにより他の病院から処方されているお薬との重複や飲み合わせを確認して、お薬を安全に使用するための注意事項などについて指導していただけます。


調剤薬局はどこにあるのですか

A. FAXコーナーで調剤薬局の場所がわかります

薬局がどこにあるかお探しの場合、外来1階8番窓口 「院外処方せんFAXコーナー」で相談してください。また、FAXを利用することで薬の受け取りの待ち時間を短縮することができますので、ぜひご利用ください。


調剤薬局はどう選べばいいのでしょうか

A. ご自身の都合に合う調剤薬局を探しましょう

調剤薬局は、患者さんが自由に選ぶことができます。 「保険薬局」「処方せん受付」などの表示がされており、お住まいの近くや、ご自身のライフスタイルに合わせて「かかりつけ薬局」を選ぶと、より便利にご利用いただけます。


院外処方せんに注意点はありますか

A. お薬は4日以内に受け取りをお願いします

院外処方せんの有効期間は交付日を含めて4日以内となっています。期間をすぎますと院外処方せんは無効となります。できるだけ当日中にお薬を受け取りましょう。また、紛失された場合には、院外処方せんを再発行する必要があります。その際には、所定の料金がかかりますので十分ご注意ください。

1階総合受付内の院外処方せんFAXコーナー

後発医薬品に変更できますか

A. 後発医薬品に変更できます

処方せんに先発医薬品がかかれている場合でも、「後発医薬品への変更不可」の欄に医師の署名や押印がなければ、患者さんの同意により後発医薬品へ変更することが可能です。ご意向をお伝えください。お薬によっては後発医薬品が作られていない場合があります。また、薬局に在庫がない場合は、取り揃えに時間がかかることがあります。


調剤薬局ってどんなところでしょうか

A. 自分が飲んできたお薬の履歴がわかります

お薬手帳とは服用している薬の名称や用量、過去に経験したアレルギーや副作用等の情報を記録するための手帳です。いくつもの医療機関に受診した際に、お薬の重複を回避できますし、それまでの服薬内容を円滑に伝えることができます。普段からお薬手帳を持ち歩きましょう。特に、複数の医療機関に受診されている場合は、お薬手帳を1冊にまとめて管理することが大切です。

アレルギー(花粉症)

花粉症ってどんな病気なの?

花粉症は、花粉によって生じるアレルギー疾患の総称で、主にアレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎が生じます。花粉が鼻に入るとくしゃみ・鼻汁、目に入るとかゆみ・流涙・目の充血が起きます。


花粉症の症状のひどさに違いはあるの?

症状が起こる時期は人によってさまざまです。花粉が飛び始めるとすぐ症状がでる人やたくさん飛ばないとでてこない人もいます。飛散する花粉数によって症状の強さが変わりますので、少ないときには花粉症の症状が全くでないこともあります。


花粉はいつ頃から飛び始めるの?

スギの花粉は夏から秋にかけて発育を続け、10月中旬頃に作られます。年を越して暖かくなり始めると、花粉が一斉に飛び始めます。

花粉症

スギ花粉症はどうして多いの?

花粉症の約70%はスギ花粉症だと推察されています。これは日本の国土に占めるスギ林の面積が大きく関係しているためでもあります(全国の森林の18%、国土の12%)。


鼻炎や結膜炎はなにが原因で引き起こされるの?

スギ花粉症では、抗原と呼ばれるタンパク成分が鼻の粘膜や結膜表面を覆う涙液へ溶け出します。ここで花粉にあうスギ特異的IgE抗体が産生されます。このIgE抗体がスギ抗原をとらえると、アレルギー症状の原因となるヒスタミンやロイコトリエンなどが放出されます。これらの物質が、くしゃみや鼻汁、鼻づまりを生じさせます。

花粉症にはどんな治療法があるの?

花粉症の治療には、点眼薬や点鼻薬による局所療法や内服薬による全身療法といった対症療法と原因抗原の除去と回避や抗原特異的免疫療法(減感作療法)といった根治療法の2つに分類されます。

花粉症
自分でできる予防法はあるの?

鼻と目に花粉が付着しないように、マスクやメガネを使うと有効です。また、花粉の飛散量が多いときには外出を控えたり、窓や戸を閉めておくとよいでしょう。また、帰宅時には衣類や頭髪に付着した花粉をよく払ってから入室すると、屋内への花粉の持ち込み量を少なくできます。

抗インフルエンザウイルス薬

抗インフルエンザウイルス薬には作用の違いにより、大きく分けて2種類あります。


インフルエンザウイルスが細胞内に入り込むのを阻止して、ウイルスが増えるのを抑える薬
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インフルエンザウイルスが細胞内に入り込むのを阻止して、ウイルスが増えるのを抑える薬
●シンメトレル(アマンタジン) 飲み薬/1日1〜2回

効果/A型インフルエンザにのみ効果があります。
副作用/めまい、ふらつき、立ちくらみ、不眠、幻覚、興奮、頭痛、便秘、食欲不振、吐き気、口の渇き、浮腫(むくみ)が出現することがあります。また服用した後は車の運転を避けることなどの注意が必要です。




インフルエンザウイルスが細胞から細胞へ
感染していくのを阻止して、ウイルスが増えるのを抑える薬
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インフルエンザウイルスが細胞から細胞へ
感染していくのを阻止して、ウイルスが増えるのを抑える薬
●タミフル(オセルタミビル) 飲み薬/1日2回、5日間
●リレンザ(ザナミビル) 吸入薬/1回2吸入、1日2回、5日間
●イナビル(ラニナミビル) 吸入薬/1回4吸入のみ

効果/A型、B型の両方のインフルエンザに効果があります。
副作用/これらのお薬の共通の主な副作用として、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状があります。
他に注射薬のラピアクタ(ペラミビル)もあります。




タミフル、リレンザについて

タミフル・リレンザは予防用に使うことが認められています。ただし、原則として「インフルエンザを発症している患者と同居している人で、①高齢者(65歳以上)、②慢性呼吸器疾患患者または慢性心疾患患者、③代謝性疾患患者(糖尿病など)、④腎機能障害患者」が対象となっており、保険は適用されません。インフルエンザの予防にはインフルエンザワクチン接種をお薦めします。

薬の効果はどれくらい?

抗インフルエンザウイルス薬は発症から48時間以内に開始すると、発熱期間は通常1〜2日間短縮されますが、症状が出てから48時間以降に開始した場合は、十分な効果は期待できません。インフルエンザにかかった時や抗インフルエンザウイルス薬を飲んだ(吸入した)時には小児・未成年者は異常行動の発現のおそれがあるため、自宅では少なくとも2日間一人にならないように配慮することが必要です。また、お薬を飲んで(吸入して)症状が軽快してもインフルエンザウイルスは体内に残り、周囲へ感染させることもあるので、熱が下がっても最低2日間は自宅で療養しましょう。

ピロリ菌

ピロリ菌って何?

ピロリ菌は正しくは「ヘリコバクター・ピロリ菌」といい、胃の粘膜に住み着く細菌です。胃には強い酸(胃酸)があるため、昔から細菌はいないと考えられてきましたが、ピロリ菌は自らアルカリ性のアンモニアを作り出して自分の周囲だけ胃酸を中和して生き延びています。


どのようにして感染するの?

ピロリ菌自身は元来、感染力の弱い細菌ですが、日本人の場合、小児期に感染します。主に口から口、唾液を介して感染します。家族間(とくに母親、祖母)で小児に感染する場合が多いのですが、衛生環境も良くなっているため、小児の感染率は年々、低下しています。

胃炎や胃・十二指腸潰瘍との関係は?

胃潰瘍や十二指腸潰瘍の患者さんの80〜90%はピロリ菌に感染し、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因となります。また、他の治療で潰瘍が治っても、ピロリ菌がいると、多くの患者さんがいずれ、必ず、再発します。ピロリ菌を除菌すると、潰瘍の再発はなくなりますので、除菌治療が勧められています。


1年間で胃潰瘍が再発する人の割合
どうやって除菌するの?

胃潰瘍や十二指腸潰瘍の患者さんだけでなく2013年2月から、内視鏡検査で「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」と診断された人は、保険を使ってピロリ菌の検査・治療を受けることができるようになりました。ピロリ菌の除菌には通常3種類の薬を朝夕2回、7日間服用します。約7〜8割の方は除菌に成功します。

●胃酸の分泌をおさえる胃薬(プロトンポンプ阻害剤)
●2種類の抗生物質(アモキシシリンとクラリスロマイシン)

注意点

薬の飲み間違い、飲み忘れ、自己判断などで薬を減らすと、除菌に失敗する率が増え、しかも抗生物質が効かない耐性菌を作ってしまう可能性があります。


副作用

除菌治療の主な副作用は下痢・軟便、味覚異常、皮膚の異常が報告されていますが、いずれの副作用も一時的なものと考えられています。2〜5%の頻度で、ひどい下痢、便に血がまじる、皮膚のひどい異常、アレルギー反応などが起こることがあります。このような場合は、薬の内服を中止して、すぐに主治医に相談してください。