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放射線科診療部門 放射線治療科

放射線科診療部門
放射線治療科

診療体制

放射線腫瘍学を専門とする、放射線治療専門医(日本放射線腫瘍学会,日本医学放射線学会認定)3名が常勤で診療を行っています。治療においては、熟練した診療放射線技師がミリ単位での位置照合の上、安全かつ高精度に照射を行っています。また、治療期間中は医師・看護師を中心に身体的、精神的なサポートを行い、患者さんが安心して治療が行えるように心がけています。院内の各診療科に加え、近隣の医療機関とも密接に連携し、地域内での高度な集学的がん診療を目指しております。

主な対象疾患

<中枢神経系腫瘍>
脳や脊髄の腫瘍に対しては、機能を保ちながら治療することが重要です。脳や脊髄の腫瘍にはたくさんの種類がありますが、多くの場合、手術のあとに放射線治療を行います。また、化学療法を併用することもあります。
<頭頸部腫瘍>
頭頸部腫瘍の治療では、形態と機能の温存が重要です。放射線治療は6~7週の外部照射で治療することがほとんどです。進行がんの場合は化学療法と一緒に放射線治療を行うこともあります。
<肺・縦隔腫瘍>
肺がんでは6~7週の外部照射が行われます。化学療法を併用して治療を行うこともあります。I期の肺がんに対しては、病変に多方向から照射して線量を集中させ1回大線量で治療し4日で終了する定位放射線治療も実施しています。
<消化器癌>
食道癌では外部照射と化学療法を組み合わせた治療を行います。難治性腫瘍である膵がんには、手術前に放射線治療や化学療法を組み合わせた集学的治療により、生存率の向上を目指しています。進行・再発大腸癌でも外部照射と化学療法を組み合わせた治療を行うことがあります。
<乳癌>
乳房温存手術後には乳房内の再発率を下げるために放射線治療を行うことが推奨されています。化学療法やホルモン療法との組み合わせで治療することが多いため、乳腺外科・担当医と相談しながら治療を行っています。
<泌尿生殖器腫瘍>
前立腺がんに対しては様々な放射線治療の方法がありますが、当院では強度変調放射線治療(IMRT)による外部照射を積極的に行っており、治療成績の向上と副作用の低減を図っています。
<子宮癌>
放射線治療の効果が特に高いのは子宮頸がんで、手術と同等の治療成績があげられています。治療は外部照射と腫瘍の内側からの照射(小線源治療)を組み合わせて行います。化学療法を同時に行うこともあります。
<造血器腫瘍>
悪性リンパ腫は、化学療法が治療の中心となることが多いですが、眼窩や胃などにできたMALTタイプなどの緩徐に進行する悪性リンパ腫では、放射線治療単独で制御することが出来ます。また、白血病の治療における骨髄移植の前処置として、全身に放射線治療を行なうことがあります。
<その他、対症療法、良性疾患など>
がんの骨への転移による痛みなどの症状は、放射線治療により改善でき、骨への転移に対する疼痛の緩和は80-90%で得られます。脳転移による麻痺やけいれんなどの神経症状、胸部の腫瘍による上大静脈症候群などの症状緩和も放射線治療の適応です。甲状腺機能亢進症に伴う甲状腺眼症に対しても放射線治療を行っています。

高度な専門医療

当院では年間400名以上の患者さんが放射線治療を受けられています。対象は乳がん温存術後の放射線治療(乳房温存療法)、脳腫瘍、頭頸部腫瘍、悪性リンパ腫、肺がん、食道がん、膵臓がん、子宮がん、前立腺がん、大腸がん、皮膚骨軟部腫瘍など多岐にわたります。一回の治療にかかる時間や回数は病気の状態にもよりますが、1回10~15分で、合計10~30回程度のことが多いです。治療の最中には刺激を感じるようなこともほとんどなく、重い副作用が起こることも少ないため、可能であれば外来通院での治療も行っています。また原疾患担当科との協力の下、食道がん、頭頸部がん、肺がんなどでは積極的に薬物療法併用での集学的治療を行っております。対症的治療として転移性脳腫瘍、転移性骨腫瘍、がん性疼痛緩和治療なども行っています。
当院は富山県内で最初に高線量率小線源治療(Ir-192)を施行した施設です。小線源治療は非常に小さな線源を腫瘍の内部に留置することで腫瘍に集中して照射できる治療法です。主に子宮がんの治療に用いられますが、2024年に機器の更新を行い、より病変部に集中して照射できるようになりました。高精度放射線治療である定位放射線治療および強度変調放射線治療(IMRT)は 2009年から開始しています。定位放射線治療は侵襲性が少なく、短期間(3日~1、2週間)で治療ができる利点があります。小型末梢型肺がんや転移性脳腫瘍が対象でしたが、転移性骨腫瘍や小数個の転移性腫瘍にも適用できるようになりました。また、当院では2018年にIMRTの専用器であるトモセラピーの新世代型・ラディザクトを導入しました。IMRTは、放射線を照射する形や線量を変化させながら照射することにより、正常臓器への被ばくを最小限にしつつ腫瘍に集中的に照射することができる治療法です。トモセラピー・ラディザクトでは、患者さんの寝台が移動しながら、小型化された照射器がCTのように体の周囲を360度回転しながら照射するため、照射角度や線量の選択の自由度が大きく連続的に広範囲に照射できることが特徴です。治療例が最も多いのは前立腺がんですが、頭頸部がんや脳腫瘍、胸腹部や骨盤部の腫瘍、全中枢神経照射や全身照射などにも適応できるようになっています。

主な検査・設備など

  • 直線加速器(リニアック)
  • トモセラピー・ラディザクト
  • 高線量率小線源治療装置(ハイブリッド小線源治療対応)
  • 治療計画用CT
  • 放射線治療計画専用コンピューター

診療科紹介

診療科長を中心として、高精度放射線治療の普及に努めています。治療方針については、患者さんとよく相談をするのはもちろんですが、対象疾患が広いので、内科、外科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、産科婦人科、脳神経外科等それぞれの腫瘍の専門医ともよく相談して治療法を決めています。トモセラピー・ラディザクトの導入により、年間150名以上の患者さんにIMRTが実施できるようになりました。現在、IMRTが実施できるのは複数の放射線治療医が常勤で診療を行っている施設に限られています。粒子線治療施設での勤務経験を持つスタッフがおり、セカンドオピニオンとしての受診も受け付けています。

診療科長  齋藤 淳一

スタッフ紹介

氏名 職位 専門領域 資格など
齋藤 淳一 診療科長
教授
放射線治療 日本医学放射線学会 放射線治療専門医
山岸 健太郎 診療准教授
診療副科長
放射線治療 日本医学放射線学会 放射線治療専門医
水上 達治 講師 放射線治療 日本医学放射線学会 放射線治療専門医

外来担当表

曜日 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
放射線治療科
(予約制)
齋藤
山岸
水上
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