光学医療診療部
診療体制・業務内容
光学医療診療部では、消化器と呼吸器の内視鏡検査・治療を行っています。そのため当診療部では複数の診療科(第1内科、第3内科、和漢診療科、第1外科、第2外科、耳鼻科)の医師をはじめ、内視鏡技師、臨床工学技士、看護師などの専門スタッフが従事しています。消化器内視鏡では、食道・胃・大腸の精密内視鏡検査をはじめ、当院では困難部位とされる食道と大腸の内視鏡治療を積極的に行っています。また膵臓胆道センターの開設に伴い、診断・治療が難しい胆道膵臓領域の専門的な診療が可能となりました。小腸領域では、カプセル内視鏡とバルーン内視鏡を用いた小腸疾患やクローン病、小腸腫瘍の総合診療が可能です。呼吸器内視鏡分野では、県内で初めて超音波気管支鏡を導入しています。早期肺癌に代表される末梢の小型病変は、従来法では診断困難でしたが、EBUS-GS法やナビゲーションシステムを併用することで、診断率を向上しています。また、従来手術処置を必要としていた中枢部のリンパ節生検についても、EBUS-TBNA法をもちいて、患者様に負担の少ない安全な検査を実施しています。
特徴・特色
当院で行う内視鏡検査は、緊急処置を除いて完全予約制で行っています。紹介による精密検査、治療前後の検査、緊急処置を主としており、健診は行っておりません。
【高度な医療】
- EUS(超音波内視鏡検査)/EUS-FNA(超音波内視鏡下針生検)
当院では膵臓胆道センターを設立し、膵癌や胆管癌の診断、胆管結石の治療に力を入れています。特にEUSは小さな膵癌を見つける方法としては最適な方法です。腫瘍が疑われた場合、腫瘍を超音波内視鏡で見ながら針を刺して組織を採取する検査がEUS-FNAです。これらの検査手法により診断が困難であった、粘膜下腫瘍や膵癌などの診断が向上しました。また、当院ではEUS-FNAを応用した、胆道ドレナージ術も積極的に行っています。
- 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
食道、胃、大腸のESDを行っています。早期胃癌のESDは一般的に普及している治療ですが、食道、大腸のESDは県内でも施行できる病院が限られており、当院では県内外から多数の紹介を受け治療しています。
- カプセル内視鏡検査・ダブルバルーン内視鏡検査
小腸の検査は、カプセル内視鏡検査、ダブルバルーン内視鏡の登場で飛躍的に進歩しました。当院ではこの2つの検査システムを有しており、迅速な診断と治療を行うことが可能です。特に原因不明消化管出血の診断と治療、クローン病の評価に力を入れています。
- 気管支ナビゲーションシステム
肺内には気管支が迷路のように分枝しているため、気管支鏡をもちいて、肺の末梢の病変に到達することは困難でした。気管支ナビゲーションシステムでは、事前に撮影したCT画像をもとに仮想気管支内視鏡画像を作成し、病変までの気管支のルートをシミュレートすることが可能です。このことで、検査時間の短縮や正確な診断が可能となります。
- EBUS-GS、EBUS-TBNA
診断すべき部分を正確に安全に生検するため、当院では超音波気管支鏡を用いています。末梢の小型病変の生検時、先の気管支ナビゲーションとともに、EBUS-GS法を用いてピンポイントで病変を採取しています。また、EBUS-TBNA法では、気管支に接している病変がリアルタイムに描出できるため生検診断率の向上、安全性の向上が得られます。
【主な検査】
- 上部消化管内視鏡検査(特殊光を併用した拡大内視鏡検査)
- 下部消化管内視鏡検査(特殊光を併用した拡大内視鏡検査)
- 超音波内視鏡検査(EUS、EUS-FNA)
- 小腸内視鏡検査(ダブルバルーン内視鏡検査)
- カプセル内視鏡(小腸・大腸)
- 内視鏡的逆行性膵胆管造影
- 胆道鏡検査
- 気管支鏡検査(気管支鏡ナビゲーションシステム)
- 超音波内視鏡検査(EBUS-GS、TBNA)
- クライオプローブ生検
【主な治療】
- 内視鏡的粘膜下層剥離術(食道・胃・大腸)
- 内視鏡的粘膜切除術(食道・胃・十二指腸・大腸)
- 内視鏡的止血術(食道静脈瘤結紮術・硬化療法、胃・十二指腸、小腸止血術など)
- 超音波内視鏡下処置(組織診断、各種ドレナージ)
- 内視鏡的総胆管結石砕石術、電気水圧衝撃波胆管結石破砕術(EHL)
- 内視鏡的胆道ドレナージ術
- 肺胞洗浄
- 気道異物除去
- 気管支温熱療法