検査・輸血細胞治療部

業務内容

患者さんがより良い治療を受けられますように、医師3名、臨床検査技師44名、看護師5名、事務員1名が、以下の指針を心掛けつつ、広範な検査業務を実施しています。

  • 「迅速かつ正確」な検査の実施に努めます。
  • 臨床検査を通じて臨床へのサービスの向上に努めます。
  • 新規検査法の研究開発を推進し、最先端の検査を提供することによる付加価値力の向上に努めます。

○血液・凝固検査部門

  • 血液に含まれる有形成分の検査を行っています。
  • 赤血球や白血球などの含有数の測定・分類および異常細胞を調べています。
  • 血液の凝固能と線溶能の検査を行っています。

○尿・一般検査部門

  • 尿の性状および尿に含まれる有形成分の検査を行っています。
  • 髄液細胞数の測定および細胞分類を行っています。
  • 尿素呼気試験を行っています。

○生化学・免疫検査部門

  • 血液・尿・髄液・穿刺液(胸水・腹水)などに含まれる「タンパク質・脂質・電解質・糖質」などの成分を測定・分析し、疾患の診断や治療、経過観察などに必要な検査項目を調べています。
  • 免疫検査では、ホルモンや腫瘍マーカーの測定、肝炎ウイルスなどの感染症の検査を実施しています。

○遺伝子・先進医療支援部門

  • 先天性血液凝固異常症をはじめとした単一遺伝子疾患について、遺伝学的検査とその解析を実施しています。
  • 血液・羊水・髄液などの臨床検体に含まれる細菌・真菌の迅速同定および定量検査を実施しています。
  • 新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)のPCR検査を実施しています。

○細菌検査部門

  • 血液・鼻汁・便などの生体から分泌される試料を培養し、含有されている細菌・真菌の検出同定を行っています。さらに、その微生物の薬剤感受性試験も実施しています。
  • 感染対策チーム(HICT)の一員として、多職種による院内ラウンドやメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の遺伝子解析等を実施しています。
  • 抗菌薬適正使用支援チーム(AST)の一員として、多職種での血液培養ラウンドに参加しています。

○輸血細胞治療部門

  • 輸血・移植に関連した検査では、遺伝子検査を含む検査技術により、高度な医療を支援しています。
  • 造血幹細胞移植に関わる細胞処理など診療支援や血液製剤の分割や洗浄など、さらに再生医療に関する診療へのサポート、自己血貯血および保管を行っています。
  • 富山県の拠点病院として地域へフィードバックしていくことで、県内全体の輸血医療の向上を目指しています。
  • 血液型、不規則抗体、交差適合試験
  • 造血幹細胞移植(末梢血幹細胞、臍帯血、骨髄)における採取、細胞処理、保存
  • リンパ球除去療法
  • 待機手術およびハイリスク出産のための自己血貯血、分離、保管
  • 自己血を用いたクリオプレシピテート作製
  • 多血小板血漿(PRP)療法
  • 移植関連組織適合性検査および抗体検査
  • 移植後生着確認
  • 血液型遺伝子解析

○採血部門

  • 外来患者の採血を行っています。当日の診療前に検査結果が出るよう、早朝8時から業務を開始しています。

○生理機能検査部門

  • 生体から直接生体シグナルを取りだし検査を行います。心電図検査、ホルター心電図検査、脳波検査、肺機能検査、血圧脈波検査、新生児聴覚検査、睡眠時無呼吸検査などに加え、心臓・腹部・乳房・甲状腺・頸動脈・下肢静脈、腎動脈などのエコー検査も実施しています。

○委託検査部門

  • 委託検査に関する業務を行っています。

特徴・特色

  • 日常病院検査を24時間365日提供できる体制が整備されています。2015年4月より検査部と輸血細胞治療部が合併し、より横断的かつ効率のよい検査サービスが展開できる部門に生まれ変わりました。その結果、検査技師のローテーション教育が更に充実し、より高い検査技術習得教育プログラムを実施できるようになりました。
  • Tmマッピング法を独自開発し、感染症原因菌の迅速同定&定量検査を実施しています。本検査法は国立研究開発法人・日本医療研究開発機構(AMED)の産学連携医療イノベーション創出プログラムに採択されています。
  • 検査におけるマネジメントシステムの定着と検査技術向上を品質目標として、ISO15189「臨床検査室-品質と能力に関する特定要求事項」の認定を受けています。本規格の品質マネジメントシステムにより、大学病院としての先進医療を実践する組織の基盤を築いています。

設備

  • 全自動検体搬送システム
  • 生化学分析装置
  • 免疫検査装置
  • 血液成分分離装置
  • 全自動血液凝固分析装置
  • 遺伝子検査(リアルタイムPCR9台 シーケンサ1台)等
  • 全自動輸血検査装置
  • フローサイトメーター
  • 質量分析装置      等

専門・認定技師等

○検査・輸血部細胞治療部 資格認定リスト(2024.4.1現在)

医学博士 5名
医科学修士 14名
保健学修士 1名

 

超音波検査士:消化器6名、循環器8名、体表臓器5名、血管1名、泌尿器1名
心電検査技師 2名
JHRS認定心電図専門士 1名

認定骨髄検査技師士 1名
認定血液検査技師士 1名
認定一般検査技師 1名
認定認知症領域検査技師 1名
血管診療技師 4名
認定臨床染色体遺伝子検査士(遺伝子検査分野) 1名
遺伝子分析科学認定士(初級) 3名
認定臨床微生物検査技師 1名
感染制御認定臨床微生物検査技師(ICMT) 1名
認定輸血検査技師 3名
認定HLA検査技術者 1名
細胞治療認定管理士 3名
認定臨床化学・免疫化学精度保証管理検査技師 3名
二級臨床検査士:循環生理学4名、呼吸生理学2名、臨床化学3名、免疫血清学1名、微生物学5名、血液学3名
緊急臨床検査士 10名
とやま糖尿病療養指導士 2名
特定化学物質四アルキル鉛等作業主任者 1名
健康食品管理士 2名
医療事務管理者(2級) 1名
臨床工学技士 8名
第二種ME技術実力検定 5名
栄養士 1名
上級バイオ技術者 2名

乳房超音波技術A評価 1名
がんゲノム医療コーディネーター 1名
脳神経超音波検査士 1名
心電図検定2級、1級 各1名
日本心臓リハビリテーション指導士 1名

診療スタッフ

職位 氏名 専門領域・資格など
部長(教授) 仁井見 英樹 医学博士 2007年(鹿児島大学)
臨床検査、臨床遺伝、臨床微生物
日本臨床検査医学会 管理医・評議員
日本専門医機構基本領域 臨床検査専門医
日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医・評議員
日本臨床微生物学会 認定医
日本臨床化学会 評議員・理事
日本遺伝子診療学会 評議員・理事
副部長(講師) 村上 純 医学博士 1999年(富山大学)
血液疾患、造血器腫瘍、造血幹細胞移植
日本輸血・細胞治療学会 認定医
日本内科学会 総合内科専門医・指導医
日本血液学会 専門医・指導医
日本造血・免疫細胞療法学会 認定医
米国内科学会上級会員(FACP)
副部長(特命講師) 原田 健右

医学博士 2012年(富山大学)
臨床検査医学
日本臨床検査医学会 管理医・評議員
日本専門医機構基本領域 臨床検査専門医
日本内科学会 認定内科医

日本超音波医学会 超音波専門医

臨床検査技師長 横田 綾 医科学修士 2014年(富山大学)
認定超音波検査士(消化器、体表臓器)
血管診療技師
二級甲類臨床病理士(循環生理学)

施設認定

ISO 15189:2012認定検査室(RML 00380)
日本輸血・細胞治療学会認定医制度 指定施設認定(10046号)
日本輸血・細胞治療学会I&A 認定(第10035号)
認定輸血検査技師制度 指定施設認定(第110号)
学会認定・臨床輸血看護師制度 指定研修施設認定(第082号)
日本臨床検査医学会 認定研修施設認定(第69号)

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