第8回 中部地区輸血検査研修会に参加して

実技講習から学んだこと  森本 剛史(厚生連滑川病院)

    血液型検査でウラ試験が弱いとき、次の順序で反応を増強していく方法があると言うことを学びました。


(ア) 追加情報の確認

@ 総タンパク量
A IgMの免疫グロブリン量 

(イ) 増強するための追加検査

@ 血清量4滴:O型血球を対照にする。
A ウラ血球を希釈:ウラ血球2滴に生食1滴を加え希釈
B 22℃5分インキュベーション:O型血球を対照にする。
C ブロメリンを滴下:滴下後22℃5分間反応
D 別lotのウラ血球

ミニシンポジウムから 高C K血症・赤血球形態異常-『McLeod血液型』って?

延野 真弓(富山医科薬科大学附属病院)

☆ 1961年AllenらによりHugh McLeodと言う献血者で始めて発見された。

特徴

KO型(Kellnull)で多く見られるKx抗原が欠損している=McLeod血球。
X染色体に関連した伴性劣性遺伝=男性に多く出現。
赤血球形態異常=有棘赤血球を引き起こす。→赤血球寿命の短縮。
高CK血症・低ハプトグロビン(Hp)
出現頻度:0.004%(日本赤十字血液センター登録者は全国で10名、中部では0名_2002年5月時点)
McLeod症候群では、末梢神経症状と舞踏運動を主とする不随運動ミオパチーと進行性の心筋症を認める。但し若年では自覚症状のない場合がある。
 (神経症状の発現機序は不明)

【症例-29歳男性】健康診断で高CK、高LDH血症を指摘され精査のため来院

検査所見:AST 55 IU/L, ALT 60 IU/L, LDH785 IU/L, CPK 1012 IU/L
WBC 6000/μl, RBC501×104/μl, Hb 15.9g/l, reti 2.4%, 赤血球形態:小球性+, 有棘赤血球+, 多染性
表現型:K-k+ 抗k 2+(対照3+)抗Kellによるフローサイトメトリー及び抗KxによるイムノブロッティングによりKx抗原の欠損が証明された。
他に特記すべき臨床所見はなく、McLeod症候群と診断された。自覚症状無し。

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