薬剤抗体検出を実施した1症例

患者情報:67歳 女性
病歴:2000年3月 NHL発症、2002年4月19日 両肺に斑状〜結節状陰影あり、
2002年5月9日 VATS目的で胸部外科入院
2002年5月17日 VATS施行 器質性肺炎
2002年5月27日血液内科転科
輸血歴:過去2年間無し
検査結果:
血液型;O型(+)
不規則抗体;フィシン2段法(2+)、LISSクームス法(-)、自己対照(3+)
直接クームス試験;多特異(2+)、IgG(2+)、C3bC3d(2+)、C3d(1+)
解離試験(DT解離);(-)
使用薬剤:化学療法剤-バクタジフルカン、腫瘍用薬-ブリプラチン (シスプラチン)、エンドキサン、ペプシド(エトポシド) 、
ソルメドール(オンコビン)、キロサイド、アドリアン、副腎ホルモン剤-メチルプレドニゾロン、
抗生物質製剤-パンスポリン(セフェム系)、ペントシリン(ペニシリン系)、ゲンタシン(アミノ糖系)、
カルベニン、スルペラゾン、エリスロシン(エリスロマイシン系)、バンコマイシン(バンコマイシン系)

        ※ 太字は溶血性貧血副作用あり



【結果】
バクタ (-) メチルプレドニゾロン (-)
ジフルカン (+) パンスポリン (+)
シスプラチン (2+) ペントシリン (+)
エンドキサン (-) ゲンタシン  (-)
エトポシド 弱溶血 カルベニン  (-)
オンコビン (-) スルペラゾン (-)
キロサイド (-) エリスロシン  溶血
アドリアシン (-) バンコマイシン 溶血

以上の検査結果より、ジフルカン、シスプラチン、エトポシド、パンスポリン、ペントシリン、エリスロシン、バンコマイシン等の薬剤で、直接クームスが陽性になった可能性があります。

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