血液型の判定像-カラム凝集法を中心に-

 下記症例について、血液型検査をした場合、どのような反応像が得られるでしょうか?各検査法(カラム凝集法、試験管法、ガラス板法)について反応パターンを考えてみてください。

症例1 42歳 男性
健康診断で、血液型検査を実施。
試験管法にて、抗A(2+mf)、抗B(0)、A血球(0)、B血球(3+)となり、亜型を疑い下記検査を行った。
ドリコスA1レクチン:(-)
Urex Hレクチン:(4+);A型対照(w+)、O型対照(4+)
A型転換酵素活性:32倍(対照64倍)
唾液中の型物質:分泌型で、A型対照と同程度のA型物質、H型物質を認めた。
家系調査を行ったところ、長男に同様の反応を認めた。
ガラス板法 試験管法 カラム凝集法

症例2 25歳 女性
椎間板ヘルニアの手術のため、来院。血液型検査を行った。
試験管法にて、抗A(0)、抗B(0)、A血球(2+)、B血球(0)とオモテ、ウラ不一致となり、下記検査を行った。
抗B抗体による吸着解離試験:陽性
B型転換酵素活性:16倍(対照16倍)
カラム凝集法

症例3 32歳 女性
前置胎盤にて他院より転送されてきた。大量出血のため、4単位のMAPの輸血を他院にて施行。患者はA型(+)だが、血液型検査が間に合わず、主治医の判断で、O型(+)血液を血液センターより取り寄せた。
ガラス板法 試験管法  カラム凝集法

症例4  8歳 男性
神経芽細胞腫のため、母親からの骨髄移植を行った。
男児はO型で、母親はA型。移植後 3週間め。
移植後、O型MAP 8単位、A型血漿6単位、A型血小板60単位 輸血している。
カラム凝集法

症例5  16歳 男性
骨髄バンクからのドナーにより移植を行った。移植後 2ヶ月め。
レシピエント: B型(+)、ドナー:A型(+)
移植後、O型MAP 2単位、AB型PC 80単位 輸血している。
カラム凝集法

症例6  33歳 男性
骨髄移植後、およそ1ヶ月め。
レシピエント:B型(+)、 ドナー:O型(+)
カラム凝集法

症例7 ?歳 性別不明 血液内科入院中
入院時の血液型検査は、B(+)。その後、定期的にMAPを輸血していたが、1年経過した当たりから、抗E抗体、抗c抗体の出現を認め、力価も徐々に強くなる。(輸血はE(-)、c(-)のものを選択)
患者はR1R1(CCDee)であり、自己抗体と考えられる。
カラム凝集法

症例8 0歳 性別不明 
患者の血液型はオモテ試験A型、ウラ試験AB型。
新生児溶血性疾患の為、O型MAP及びAB型血漿で交換輸血を施行。
カラム凝集法

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