•周術期大量出血時の止血指針(富山県立中央病院輸血療法委員会)
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•・周術期大量出血(循環血液量と同程度≒70mL/kg)を来すリスクの高い手術を行う場合には、クリオプレシピテート(クリオ)を投与する可能性を念頭に置いて、できれば1−2週間前には輸血部門に事前に連絡する。可能な限り術前に患者さんに投与の可能性について説明し承諾を得ておく
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•・術前に血算(血小板数)、凝血学的検査(PT、APTT、フィブリノゲン)を測定しておく。
• 周術期に大量の出血を認め、かつOozing出血が持続している場合に、血算(血小板数)、凝血学的検 査(PT、APTT、フィブリノゲン)を行う
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•・APTTの延長を認める場合はFFPにて凝固因子の補充を行う。血小板数減少を認める場合には血小板輸血を行って血小板数を80000/μL以上への増加を図る。またFFPの補充にてもフィブリノゲン値100mg/dL以下を認める場合にはクリオ製剤(AB型FFP4単位由来製剤1pack/患者)の投与を行う。
•APTTの延長を認めずフィブリノゲン値100−150
mg/dLの場合は早急な止血が必要と判断される場合には投与する。投与後にはフィブリノゲン値が確実に150 mg/dL以上に増加しているのを確認する
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•注1:クリオ製剤は輸血部門による院内調製製剤であり、調製には5日ほどを要するため事前の準備が必要である。
• またAB型FFPから調製するため異型輸血となる場合がある。FFP使用時と同様に輸血後副作用が現れる場合がある。
•注2:凝血学的検査は検体処理を始めてから概ね最低30分程度の検査時間が必要であることを念頭に置くこと。
•注3:凍結クリオ製剤は手術室の37℃恒温層で融解を行う。融解直後のクリオ製剤はフィブリノゲンなどの析出によって
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白濁しており、投与前に完全に溶解させる必要がある。通常これらの操作には10〜 15分必要である。
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